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呉座勇一に関するprisoneronthewaterのブックマーク (86)

  • 源頼朝が恐れた北条政子の嫉妬 日本中世の「後妻打」という驚きの風習 | AERA dot. (アエラドット)

    呉座勇一(ござ・ゆういち)/1980(昭和55)年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。同大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。文学博士。専攻は日中世史。国際日文化研究センター助教。2014年『戦争の日中世史』(新潮選書)で第12回角川財団学芸賞受賞。著書に、『一揆の原理』『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』『陰謀の日中世史』『戦乱と民衆』ほか (c)朝日新聞社 「鎌倉時代には『一夫一婦制』が成立しているが、身分の高い男性は他に多くの側室を持った。しかし、源頼朝は武士の頂点であるにもかかわらず、側室は少ない。その理由は、北条政子の嫉妬深さが一因と言われている」 そう語るのは、ベストセラー『応仁の乱』の著者で、気鋭の研究者・呉座勇一氏(国際日文化研究センター助教)だ。最新刊『日中世への招待』で呉座氏は北条政子の嫉妬深さは、かなり強烈だったと明かしている。 「頼朝の御所に仕える女官で

    源頼朝が恐れた北条政子の嫉妬 日本中世の「後妻打」という驚きの風習 | AERA dot. (アエラドット)
  • 兄弟なのに「父子」だった!? 頼朝と義経のビジネスライクな関係性(呉座 勇一)

    兄弟なのに「父子」だった!? 頼朝と義経のビジネスライクな関係性 歴史家が見る『鎌倉殿の13人』第10・11話 『頼朝と義時』(講談社現代新書)の著者で、日中世史が専門の歴史学者・呉座勇一氏が、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の放送内容をレビューする企画。今回は、先週放送の第10話「根拠なき自信​」、昨日放送の第11話「許されざる嘘」をまとめて解説。さまざまな史料や学説を参照しつつ、源義経をはじめとする、源頼朝の弟たちの正体や、佐竹氏討伐の真相に迫ります。 第1回:いよいよ放送開始!『鎌倉殿の13人』第1話を歴史学者はどう観たか 第2回:仲が悪いけど実は〇〇〇!?伊東祐親と工藤祐経の複雑すぎる関係 第3回:源平合戦の幕開け! なぜ以仁王と源頼政は挙兵するに至ったのか? 第4回:頼朝軍の最初のターゲット! 山木兼隆と堤信遠って何者?? 第5回:北条時政と大庭景親の罵り合いに見る、当時の

    兄弟なのに「父子」だった!? 頼朝と義経のビジネスライクな関係性(呉座 勇一)
  • 水鳥の羽音を敵の夜襲と勘違い!? 平氏追討軍ヘタレ伝説の数々(呉座 勇一)

    水鳥の羽音を敵の夜襲と勘違い!? 平氏追討軍ヘタレ伝説の数々 歴史家が見る『鎌倉殿の13人』第8・9話 『頼朝と義時』(講談社現代新書)の著者で、日中世史が専門の歴史学者・呉座勇一氏が、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の放送内容をレビューする企画。今回は、先週放送の第8話「いざ、鎌倉​」、昨日放送の第9話「決戦前夜」をまとめて解説。さまざまな史料や最新の学説を参照しつつ、八嶋智人さん演じる甲斐源氏の棟梁・武田信義の正体や、富士川合戦の真相に迫ります。 第1回:いよいよ放送開始!『鎌倉殿の13人』第1話を歴史学者はどう観たか 第2回:仲が悪いけど実は〇〇〇!?伊東祐親と工藤祐経の複雑すぎる関係 第3回:源平合戦の幕開け! なぜ以仁王と源頼政は挙兵するに至ったのか? 第4回:頼朝軍の最初のターゲット! 山木兼隆と堤信遠って何者?? 第5回:北条時政と大庭景親の罵り合いに見る、当時の「現金

    水鳥の羽音を敵の夜襲と勘違い!? 平氏追討軍ヘタレ伝説の数々(呉座 勇一)
  • 諸説あり!上総広常はいつ、どこで頼朝軍に合流したのか?(呉座 勇一)

    『頼朝と義時』(講談社現代新書)の著者で日中世史が専門の歴史学者の呉座勇一氏が、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の放送内容をレビューする企画。第7回目となる今回は、佐藤浩市さん演じる上総広常ら有力豪族を味方に引き入れるための交渉の様子を描いた昨日放送の第7話「敵か、あるいは​」について、さまざまな史料や最新の学説を参照しつつ、専門家の視点から見たみどころを解説してもらいました。 第1回:いよいよ放送開始!『鎌倉殿の13人』第1話を歴史学者はどう観たか 第2回:仲が悪いけど実は〇〇〇!?伊東祐親と工藤祐経の複雑すぎる関係 第3回:源平合戦の幕開け! なぜ以仁王と源頼政は挙兵するに至ったのか? 第4回:頼朝軍の最初のターゲット! 山木兼隆と堤信遠って何者?? 第5回:北条時政と大庭景親の罵り合いに見る、当時の「現金」な主従関係 第6回:決死の脱出劇!頼朝・時政・義時が辿った逃走経路の謎

    諸説あり!上総広常はいつ、どこで頼朝軍に合流したのか?(呉座 勇一)
  • 決死の脱出劇!頼朝・時政・義時が辿った逃走経路の謎(呉座 勇一)

    『頼朝と義時』(講談社現代新書)の著者で日中世史が専門の歴史学者の呉座勇一氏が、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の放送内容をレビューする企画。第6回目となる今回は、石橋山合戦で大敗した源頼朝らが、敵の追手から必死に逃れる様子を描いた昨日放送の第6話「悪い知らせ​」について、さまざまな史料や最新の学説を参照しつつ、専門家の視点から見たみどころを解説してもらいました。 第1回:いよいよ放送開始!『鎌倉殿の13人』第1話を歴史学者はどう観たか 第2回:仲が悪いけど実は〇〇〇!?伊東祐親と工藤祐経の複雑すぎる関係 第3回:源平合戦の幕開け! なぜ以仁王と源頼政は挙兵するに至ったのか? 第4回:頼朝軍の最初のターゲット! 山木兼隆と堤信遠って何者?? 第5回:北条時政と大庭景親の罵り合いに見る、当時の「現金」な主従関係 『鎌倉殿の13人』の第6話では、石橋山合戦で大敗した源頼朝らが辛くも逃げ延

    決死の脱出劇!頼朝・時政・義時が辿った逃走経路の謎(呉座 勇一)
  • 北条時政と大庭景親の罵り合いに見る、当時の「現金」な主従関係(呉座 勇一)

    「御恩と奉公」という言葉があるように、中世の武士といえば、強い主従関係で結ばれているというイメージを抱きがちです。しかし史料を紐解いてみると、鎌倉幕府成立以前の主従の絆は、意外にも脆かったようです。 『頼朝と義時』(講談社現代新書)の著者で日中世史が専門の歴史学者・呉座勇一氏が、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第5回「兄との約束」について、専門家の視点から見たみどころを解説します。 第1回:いよいよ放送開始!『鎌倉殿の13人』第1話を歴史学者はどう観たか 第2回:仲が悪いけど実は〇〇〇!?伊東祐親と工藤祐経の複雑すぎる関係 第3回:源平合戦の幕開け! なぜ以仁王と源頼政は挙兵するに至ったのか? 第4回:頼朝軍の最初のターゲット! 山木兼隆と堤信遠って何者?? 『鎌倉殿の13人』の第5話では、山木邸討ち入りから石橋山合戦までの怒涛の展開が描かれた。主人公の北条義時は初めて体験する合戦の恐

    北条時政と大庭景親の罵り合いに見る、当時の「現金」な主従関係(呉座 勇一)
  • 頼朝軍の最初のターゲット! 山木兼隆と堤信遠って何者??(呉座 勇一)

    『頼朝と義時』(講談社現代新書)の著者で日中世史が専門の歴史学者の呉座勇一氏が、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の放送内容をレビューする企画。第4回目となる今回は、山木邸討ち入りに向けて戦支度を進める様子を描いた昨日放送の第4話「矢のゆくえ」について、さまざまな史料や最新の学説を参照しつつ、専門家の視点から見たみどころを解説してもらいました。 第1回:いよいよ放送開始!『鎌倉殿の13人』第1話を歴史学者はどう観たか 第2回:仲が悪いけど実は〇〇〇!?伊東祐親と工藤祐経の複雑すぎる関係 第3回:源平合戦の幕開け! なぜ以仁王と源頼政は挙兵するに至ったのか? 『鎌倉殿の13人』の第4話では、山木邸討ち入りの準備が描写された。作の主人公である北条義時は相変わらず周囲に振り回されているものの、要所要所での説得は頼もしい。八重の貢献はフィクションだが、源頼朝たちが何らかの方法で山木兼隆の在宅

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  • 源平合戦の幕開け! なぜ以仁王と源頼政は挙兵するに至ったのか?(呉座 勇一)

    『頼朝と義時』(講談社現代新書)の著者で日中世史が専門の歴史学者の呉座勇一氏が、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の放送内容をレビューする企画。第3回目となる今回は、声優の木村昴さんが以仁王(もちひとおう)役で出演して話題となった昨日放送の第3話「挙兵は慎重に​」について、最新の学説を参照しつつ、専門家の視点から見たみどころを解説してもらいました。 第1回:いよいよ放送開始!『鎌倉殿の13人』第1話を歴史学者はどう観たか 第2回:仲が悪いけど実は〇〇〇!?伊東祐親と工藤祐経の複雑すぎる関係 『鎌倉殿の13人』の第3話では、作の主人公である北条義時が周到な分析によって挙兵成功の見通しを語り、源頼朝が決断する場面が活写された。当時18歳の義時が参謀的な役割を果たしたという設定にはいささか疑問も残るが、様々な情報が錯綜し頼朝や北条一族が迷い悩む展開には引き付けられた。歴史学の観点から、第3

    源平合戦の幕開け! なぜ以仁王と源頼政は挙兵するに至ったのか?(呉座 勇一)
  • 武家政治の開拓者、源頼朝と北条義時の実像に迫る(呉座 勇一)

    史を変えた「鎌倉殿」と「執権」という、2人の政治家――。 源平合戦から承久の乱まで、武士中心の社会は、いかにして生まれたか? 朝廷と幕府の関係が劇的に転換する日史上の画期を描き出した現代新書の最新刊『頼朝と義時』より、「はじめに」をお届けします。 暗い雰囲気がつきまとう2人 源頼朝と北条義時。歴史教科書に太字で名前が載る重要人物である。頼朝は平家を滅ぼし、最初の武家政権である鎌倉幕府を創設した人物、そして義時は承久(じょうきゅう)の乱で後鳥羽(ごとば)上皇方に勝利することによって幕府と朝廷の力関係を劇的に転換し、武家政治の流れを確立した人物である。 頼朝と義時という2人の人物がいなければ、中世、さらには近世も武士中心の社会にはならず、日歴史はまったく異なる展開をたどったかもしれない。 そのような偉業を成し遂げた2人であるが、彼らに対する後世の評価は芳しいものでは ない。頼朝は異母

    武家政治の開拓者、源頼朝と北条義時の実像に迫る(呉座 勇一)
  • 仲が悪いけど実は〇〇〇!?伊東祐親と工藤祐経の複雑すぎる関係(呉座 勇一)

    『頼朝と義時』(講談社現代新書)の著者で日中世史が専門の歴史学者の呉座勇一氏が、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の放送内容をレビューする企画。今回は、昨日放送の第2話「佐殿の腹」について、専門家の視点から見たみどころや、今後の展開の伏線となるポイントを解説してもらいました。 前回記事:いよいよ放送開始!『鎌倉殿の13人』第1話を歴史学者はどう観たか 『鎌倉殿の13人』の第2話では、作の主人公である北条義時が、ついに源頼朝から平家打倒の決意を打ち明けられるシーンが描かれた。頼朝は長い流人生活の中で、他人に心を開かぬ猜疑心の強い人物になっていた。そんな頼朝が、慎重家で、それでいて頼朝への直言を憚らない義時を信頼した瞬間は見ごたえがあった。まさに歴史はここから動き始めたと言えよう。歴史学の観点から、第2話のポイントを解説する。 北条時政の矜持 さて『鎌倉殿の13人』では、頼朝の身柄引き渡

    仲が悪いけど実は〇〇〇!?伊東祐親と工藤祐経の複雑すぎる関係(呉座 勇一)
  • いよいよ放送開始!『鎌倉殿の13人』第1話を歴史学者はどう観たか(呉座 勇一)

    俳優の小栗旬さんが主演を務めるNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』がいよいよスタート。そこで今回は『頼朝と義時』(講談社現代新書)の著者で日中世史が専門の歴史家・呉座勇一氏に、昨日放送された第1回「大いなる小競り合い」について、専門家の視点から見たみどころや、今後予想される展開を解説してもらいました。 『鎌倉殿の13人』の第1話では、作の主人公である北条義時が、伊豆の流人である源頼朝と出会うシーンが描かれた。頼朝の命が危ない、北条と伊東の戦が始まるかもしれないという緊迫した状況の中でも、周囲のわがままに義時が翻弄されるなど笑える箇所が多く、脚の三谷幸喜氏の領が発揮されている。ラストでのどんでん返しに驚かされた視聴者が多かったのではないだろうか。 義時と頼朝の邂逅については全く史料がなく、ドラマでの描写は完全なフィクションである。個人的には、史実の義時は頼朝にもう少し敬意を払ったと考え

    いよいよ放送開始!『鎌倉殿の13人』第1話を歴史学者はどう観たか(呉座 勇一)
  • 両丹日日新聞:「本能寺の変は突発的、黒幕いない」 光秀講演会で呉座勇一さん | ニュース

    中世史が専門の国際日文化研究センター助教、呉座勇一さんを講師に招いた歴史講演会が1日、福知山市役所隣のハピネスふくちやまで開かれた。福知山ゆかりの明智光秀にとって最大の謎とされる能寺の変について、「突発的な光秀単独説」を推して持論を展開した。 官民でつくる福知山光秀プロジェクト推進協議会が昨年7月から続ける「明智光秀を学ぶ連続講座」の一環で、約200人が聴講した。 演題は「能寺の変を考える-黒幕はいたのか?」。多数の説がある動機について、呉座さんは「資料が残っていない以上、100%の断定はできないにしても、これはないだろうと潰していくことはできる」と、消去法で可能性を絞り込んだ。 最初は怨恨説。信長に母親を殺されたことや徳川家康をもてなす席で腐った魚を出して罷免されたことなど、恨みの根拠とされる有名な出来事そのものを裏付ける資料に信ぴょう性がないと退けた。 根強い黒幕説にも疑問を

  • 歴史学者・呉座勇一が深く探究「北条義時は何をしたのか?」(呉座 勇一)

    2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の主人公は北条義時である。ドラマで彼がどう描かれるかはさておき、歴史学の立場からの評価を解説しておきたい。 教科書的には「北条政子の弟で、承久の乱の時の鎌倉幕府執権」といったところだろう。しかし私に言わせれば、北条義時は「鎌倉幕府、ひいては武家政治を完成させた男」である。 「イイクニ」ではなく「イイハコ」? 北条義時が鎌倉幕府を完成させた男だと述べたが、そもそも鎌倉幕府はいつ成立したのだろうか。 年配の方なら「いい国(1192)つくろう鎌倉幕府」という語呂合わせを覚えたのではないだろうか。少し歴史に詳しい人なら「最近はイイクニではなくイイハコ(1185)に変わった」と言うかもしれない。 1192年とは、源頼朝が征夷大将軍に任官した年のことである。通常、幕府のトップは征夷大将軍であるから、この年に幕府が成立した、という説は分からないでもない。だが

    歴史学者・呉座勇一が深く探究「北条義時は何をしたのか?」(呉座 勇一)
  • 『応仁の乱』著者が力説「富子は悪女ではなく、終戦の功労者である」(呉座 勇一)

    小学生から新学習指導要領で受験する高校生、さらには社会人までを読者対象とする、気鋭の若手研究者たちが監修した『講談社 学習まんが 日歴史』(全20巻)シリーズが好調に売れています。監修者のひとりであり、21日には大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の時代考証を務めることが発表された歴史学者の呉座勇一氏は、明智光秀が「敵は能寺にあり」などとは言っていないように、日野富子は悪女ではなかったと力説します。 なんのために歴史を学ぶか 「学習まんが」というと、一般的には小中学生が読むものというイメージが強いと思います。しかし、実際にはもっと年齢が上の人たち、高校生、大学生、さらには、社会人でも、歴史を学ぶ上での導入として読まれる方がかなりいらっしゃいます。 今回、私が中世時代を監修させていただいた『学習まんが 日歴史』は、大人の読者も想定し、「学習まんが」としては知識量、情報量が多くなっています。

    『応仁の乱』著者が力説「富子は悪女ではなく、終戦の功労者である」(呉座 勇一)
  • 「野心家・光秀」はなぜ定着しなかったのか? 呉座勇一「戦国武将、虚像と実像」 | カドブン

    >>第二節 近代の明智光秀像 第三節 戦後の明智光秀像 〈光秀=改革者〉像の出現 戦後になると、儒教的な主従観念はさらに衰退する。戦前には「忠君愛国」を基理念とした教育が行われ、「武士道」精神も鼓吹されたが、戦後は軍国主義への反省に基づき、そうした考え方は否定されていった。 結果として、明智光秀の謀反を倫理的に評価する論調は後景に退いた。そうした風潮を受けて登場したのが、昭和三十三年(一九五八)に刊行された高柳たかやなぎ光寿みつとしの『明智光秀』である。高柳は東京大学史料編纂へんさん官、國學院大學教授などを歴任した歴史学者である。 拙著『陰謀の日中世史』でも言及したように、高柳の著書が画期的だったのは、怨恨説の根拠となっているエピソードが、全て江戸時代に著された俗書の創作であることを指摘した点にある。先述の通り、江戸時代には怨恨説が主流であり、近代においても怨恨説への疑問が提出されたも

    「野心家・光秀」はなぜ定着しなかったのか? 呉座勇一「戦国武将、虚像と実像」 | カドブン
  • 歴史小説・ドラマの源流は“蘇峰史観”にあり! 呉座勇一「戦国武将、虚像と実像」 | カドブン

    >>第一節 近世の明智光秀像 第二節 近代の明智光秀像 儒教的主従観念の相対化 前節で取り上げた『絵太功記』のような例外はあるにせよ、江戸時代において明智光秀は基的に「逆臣」として非難された。前述の通り、儒教的倫理観に則のっとった場合、いかなる理由があろうとも、主君への反逆は肯定されないからである。 もちろん、儒教にも暴君への反逆を正当化する考え方はある。これを放伐説という。周の武王が殷の紂王を討ったのは放伐の典型であり、『絵太功記』は放伐説を引くことで、光秀の行為を正当化しようとしている。 だが儒教において、放伐説は必ずしも有力な考え方ではなかった。江戸時代に最も影響力を持った儒教の学派は、いわゆる朱子学である。一般に朱子学は放伐説を採用したと言われている。朱子学は儒学の経典のうち『孟子もうし』を特に重視しており、『孟子』は放伐を肯定しているからである。 けれども中国思想史学者の小

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  • 第4回 敗軍の将・三成が見せた「大将の気概」 | 名ぜりふで読み解く日本史 | 呉座勇一 | 連載 | 考える人 | 新潮社

    石田三成像(個人蔵・青森県杉山寿之進氏) 『慶長軍記』の意外な好評価 石田三成。関ヶ原合戦で西軍の中心人物として、徳川家康ら東軍と戦い敗れた人物である。ゆえに江戸時代には、三成は豊臣秀吉の威を借る君側の奸であり、秀吉死後は私利私欲のために家康の追い落としを画策した悪人として非難されてきた。 こうした佞臣(ねいしん)三成像を塗り替えたのは、司馬遼太郎の歴史小説『関ヶ原』だと一般に考えられている。作の石田三成は、官僚的で融通がきかず人望に乏しいものの、清廉潔白で信義を重んじる豊臣家の忠臣として描かれている。三成イメージを転換する上で司馬の果たした役割は大きい。 しかしながら江戸時代においても、石田三成に対する評価は全否定ではなかった。軍記物・逸話集の中には三成に好意的なエピソードも少なくない。確かに江戸時代の諸書は、徳川家康に対して無謀な戦を仕掛け、諸将の夜襲提案などの献策を無視して正攻法に

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  • 呉座勇一『陰謀の日本中世史』刊行記念インタビュー | カドブン

    中世史研究者・呉座勇一——『応仁の乱』の大ヒットも記憶に新しいところだが、このたび四冊目の一般書となる『陰謀の日中世史』を上梓した。 保元の乱から関ヶ原合戦まで、一般に流布する陰謀論的俗説を一蹴する快著執筆の背景には、気鋭の研究者が自らに課した「社会的役割」があった——。 それは「一揆」からはじまった 研究者としての呉座勇一 ── : 大ヒットとなった『応仁の乱』を経て、四冊目の一般書となりますが、企画自体は『応仁の乱』と同時期からあったそうですね。 呉座: ええ、お話をいただいたのは同時期だったのですが、『応仁の乱』の執筆を優先させていただきました。 ── : それは、どういった理由があったのでしょう? 呉座: あとがきでも触れましたが、『一揆の原理』と『戦争の日中世史』について、学界では「受け狙いのテーマ・軽薄な文体で学問への真摯さが感じられない」といった批判が出ました。最初からあ

    呉座勇一『陰謀の日本中世史』刊行記念インタビュー | カドブン
  • 中世史から陰謀論へのユニークなアプローチ 『陰謀の日本中世史』 | カドブン

  • 光秀=「温厚な常識人」は一つのベストセラーがつくった。呉座勇一、待望の新連載!「戦国武将、虚像と実像」 | カドブン

    はじめに 織田おだ信長のぶながや豊臣とよとみ秀吉ひでよしや徳川とくがわ家康いえやすといった戦国武将に関しては、だいたいこういう人物だろうというイメージを皆が持っている。その人物像は小説やドラマ、映画などに淵源えんげんしていることが多いので、人それぞれ違う、ということはあまりない。秀吉は人たらし、家康は狸親父たぬきおやじといったイメージが世間一般に広く流通している。 だが、そうした人物像は必ずしも固定的なものではない。昔からずっと同じイメージで語られてきたわけではなくて、時代ごとにイメージは変わっている。我々が抱いている信長像や秀吉像は何百年も前に作られたものではなく、意外と最近、たとえば司馬しば遼太郎りょうたろうが作ったイメージに左右されている、ということが結構ある。そこでこの連載では、信長像や秀吉像が時代によってどう変遷したかということと、実際はどういう人だったのかということを、述べたい

    光秀=「温厚な常識人」は一つのベストセラーがつくった。呉座勇一、待望の新連載!「戦国武将、虚像と実像」 | カドブン