ブロックで遊ぶ親子。照明が消えると次のプログラムに移る合図 学校法人明晴学園(斉藤道雄理事長、東京都品川区)はこのほど、未就学の聴覚障害児が通う児童発達支援事業所「めだか」を開設した。全職員が日本手話を使う。身振りや顔の表情も含めた小さな発話を見逃さず、子どもが「伝わった」と思える場面を増やす。同学園は「職員全員が日本手話を使う児童発達支援は全国初ではないか」としている。 「めだか」は月~金曜の週5日開く。1日の定員は10人。同学園は今年3月まで自主的な取り組みとして週3日乳児クラスを開いていたが、ニーズが大きいため福祉サービスとしての「めだか」を6月に開設した。 サービス内容は「個別相談」「指さしや動作を学ぶ集団遊び」などで、ろう者を含む4~6人の職員が個別支援計画に基づいてかかわる。「めだか」に通う2歳の男児の母親は「ろうの職員だからこそ気付く、うちの子の身振りや表情があります。一人ひ
医療的ケア児の通学の付き添いは保護者にとって大きな負担だ。文部科学省が2016年に行った保護者調査によると、付き添いの回数について半数近くが「平均週10回以上」と回答。交通手段は9割以上が「自家用車」で、ほぼ毎日、保護者の運転に頼っていた。多くの自治体は医療的ケア児のスクールバスでの集団送迎を禁じている。根拠の一つが、文科省が11年に都道府県教育委員会などに送った通知。「移動中の対応は危
「障害児と共学」実践研究へ=インクルーシブ教育、人材育成-東大と大阪市立大空小 障害の有無にかかわらず子どもたちが同じ場で学ぶ「インクルーシブ教育」について、東京大大学院教育学研究科が実践的な研究に乗り出す。10年以上にわたり積極的に活動している大阪市立大空小学校と連携協定を結び、授業や指導、学校運営などを共同で研究する。また、教職員の人材育成にも活用する方針だ。 多様性の尊重や助け合いといった意識を育てる効果が期待されるインクルーシブ教育については、文部科学省が推進政策を取る。同省は子どもの状況に応じた支援を自治体に要請している。 ただ、普通学級に在籍しながら別室で「通級指導」を受ける小中学生は2016年度に約10万人と、制度が始まった1993年度の8倍に及ぶ。発達障害と判断される事例の増加が主な要因で「学びの場の分離が進んでいる」との指摘もある。 大空小は「すべての子どもの学習権を保障
八幡西区で発達障害のある小中学生の放課後等デイサービスを実施する民間の子ども地域支援事業所「あしたのつばさ」(針池栄治代表)が来年4月、通信制高校「あしたのつばさ高等学院」を開設する。情緒障害などがあっても知能指数(IQ)が基準を上回るため療育手帳が交付されない子どもたちを中心に、高校卒業と自立を支援する試みだ。【塩満温】 同事業所は2015年に設立。同区光貞台と陣原の2施設で、スタッフ計26人が学習支援のほか陸上、器械体操などのスポーツやヒップホップダンスを指導する。通所生計約70人のほとんどは小中学校の特別支援学級に通うが、半数は療育手帳のない子どもたちだ。
2017年9月9日 下諏訪町東山田にある県花田養護学校高等部生徒が、「障害のある人や高齢者が、地域で不自由なく暮らせるような、便利な福祉機器を開発したい」と諏訪東京理科大学(茅野市豊平)進学を目指している。生徒には筋疾患による障害があり、大学に通学するためには複数の介助が必要になる。夢をかなえるために、自らボランティアの募集を始めた。 進学を目指しているのは、高等部3年生の田中洵さん(17)=塩尻市出身=。筋力が低下する病気を持つ田中さんは、電動車椅子で生活しており、中学2年生の時に花田養護学校へ転校してきた。福祉機器を扱う人に紹介されたという電動車椅子サッカーが好きで、週末に同校や下諏訪体育館で楽しんでいる。 田中さんには二つの夢がある。障害のある人が必要な介助を求めながら、地域で主体的に暮らしていくための福祉機器を作ることと、障害のあるなしにかかわらず、働ける場を創出すること。自分が思
生活保護家庭の子どもの大学進学ダメ問題は解決に向かうのか 審議会の議論がダメなので整理します今年の1月に、「2017年は生活保護家庭の子どもが大学進学できる社会にしよう!」という記事を書きました。 この記事では、 ・生活保護世帯の子どもの大学進学が制度的に認められていないこと ・例外的な措置として「世帯分離」という方法をおこなうことにより大学進学を可能にしているが、この方法は子ども本人や生活保護世帯に負担がくるものであること ・実際に子どもが大学進学をすると子ども分の支給額が減額され(世帯によっては6万円以上減額されることも)、子どもは学費分を奨学金で全額まかない、アルバイトで自分の生活費を稼ぐ生活を強いられること ・これらの実態により、生活保護世帯の大学進学は19.2%であり一般世帯が53.9%であることからも大きな差が開いてしまっていること を紹介しました。 また、記事のなかで、給付型
所得格差による子どもの教育格差にインターネットの力を。オランダで1000台のスマホが無料配布される2017.09.04 20:45 塚本 紺 スマートフォンやタブレットが、教育システムにどんどん活用されるようになってきました。いろいろな団体や学校がテクノロジーを使って、授業をよりインタラクティブに分かりやすくする工夫に取り組んでいます。それ以外にも宿題の提出や課題の管理など、マネージメントの部分でもコンピューターとインターネットは欠かせない存在になってきているようです。さらに大学や高校だけでなく、対象も低年齢化しつつあります。 インターネットやデジタル機器が教育を効率化し、かつ地域による教育格差を是正する働きを持ついっぽうで、テクノロジーへのアクセスが限られている貧困層の子どもたちに対してはこれまで以上のデメリットを抱え込ませているのではないかという指摘がされています。 そんな教育アクセス
1970年代にニュータウンとして開発が進んだ大阪府池田市の伏尾台地区。高齢化が進み、廃校となった小学校の旧校舎に2年前、不登校の子どもたちが通うフリースクールが入った。地元の住民は、にぎわいが戻ったと歓迎。校内の食堂などで交流が芽生えている。 旧伏尾台小学校の跡地(池田市伏尾台2丁目)の校庭で26日、地域の夏祭りが開かれた。地元の住民による屋台が並ぶ一角で、旧校舎を使うフリースクールも店を出した。せんべいに目玉焼きをのせた「たません」を販売。生徒たちも手伝った。 同小学校が廃校になったのは2015年。その後、旧校舎を利用したのが、NPO法人「トイボックス」(大阪市西区)運営のフリースクール「スマイルファクトリー」だ。不登校や発達障害の生徒ら、主に小学生から高校生まで80人ほどが利用している。 市の委託を受けた「公設民営」。スタッフが学習進度に合わせて勉強を教えている。小・中学生はもとの学校
大阪市は30日、放課後などに小中学生に勉強を指導するボランティア活動に継続的に参加した大学生を対象に、市の教員採用試験で加点する特例制度を新設する方針を明らかにした。同様の制度は全国でも珍しく、大阪市は数年以内の実施を目指す。 市が昨年度実施した実態調査では経済的な困窮度が大きい世帯ほど子供の学習理解度が低く、授業以外の勉強時間が少ない傾向が明らかとなっている。 特例制度の創設は、こうした子供の貧困対策の一環で、無料や低価格で子供たちに食事を提供する「こども食堂」などで勉強を教えるボランティアに学生らの参加を促したい考え。指導経験を積んだ学生を教員として積極的に採用していく狙いもある。 30日開かれた子供の貧困に関する対策会議で、吉村洋文市長は「子供が貧困の連鎖から抜け出すきっかけは教育だと思う。学生らが参加しやすい制度を作っていきたい」と述べた。
政令市、正答率高い傾向=地域差の縮小続く-全国学力テスト・文科省 文部科学省は28日、小学6年と中学3年を対象に4月に実施した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を発表した。初めて政令市別の成績を公表。全体的には、同じ道府県の他地域より高い傾向が見られた。調査は10回目で、文科省は「地域間格差の縮小傾向が続く一方、知識の活用力は引き続き課題」としている。 全国の国公私立小中計2万9627校の約204万人が、国語と算数・数学の基礎知識を問うA問題と活用力を試すB問題に解答した。 政令市20市の平均正答率は、公立小中の国語、算数・数学の各A・Bを合計した160のうち、93(58%)が同じ道府県の政令市を除いた地域より高かった。同率は27(17%)、低かったのは40(25%)だった。 ただ、札幌、仙台、さいたま、横浜、川崎の5市が国語と算数・数学のA・B全てで上回った一方、大阪、広島の
日本における教育改革の必要性が叫ばれるようになって久しいが、2020年の大学入試改革が目前に迫り、昨今ではこども保険や教育無償化が政策としても現実味を帯びている。しかしここで一度、我が国の教育政策を改めて考えてみる必要があるのではないだろうか。 この連載では、半年間のサバティカルをとり渡米した筆者が、米国の最先端の教育事例や専門家との対話を通じて、日本の教育改革に如何なる示唆を得ることができるのかを考察していく。 第1回は、教育格差を埋める施策として注目される教育の無償化について。筆者が2004年〜05年、スタンフォード大学修士課程時代に学んだ同学重鎮であり、世界銀行やOECDなどの教育政策アドバイザーも務めるマーティン・カーノイ教授に聞いた。 全員一律無償化の落とし穴 教授との12年ぶりの再会は、キャンパス内にあるCERAS(Center for Educational Research
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