1 高い評価の戦後70年首相談話、されど火種は残った 終戦70年に安倍晋三首相が出した談話は、各方面から称賛されているが、最も大きな功績は、中韓と米国が導通しやすい「歴史戦争」において、2正面作戦の不利を避け、欧米を味方につけたことである。 さらには、米国の歴史観に乗っ取りつつも、日露戦争の意義を述べ、戦争に至る間に欧米諸国の植民地経済を巻き込んだ経済のブロック化を進めたなどの事実を加味したことは大きな意味がある。 しかし、これで歴史問題に区切りがついたと安心している場合ではない。もう1正面の「敵」が健在だ。火種は残った。 今年の7月からほとんどの日本のマスコミは、まるで戦後のWGIP(ウオーギルトインフォメーションプログラム)の再来のように、単に戦争の悲惨さだけを強調し、日本の贖罪意識と日本民族の劣等感を煽るだけの情緒的なキャンペーンに終始した。 日本人自ら「侵略国家であり日本民族は残虐