老後のひとり暮らしが破綻して、自宅を「ゴミ屋敷」に変えてしまう人がいる。『老後ひとり暮らしの壁』(アスコム)を書いた山村秀炯さんは「ゴミ屋敷のような部屋を片付けていると、玄関の様子が似ていることに気づく。また、居間と寝室にも2つの共通点がある」という――。 老後のひとり暮らしには「壁」がある 私は仕事がら、とにかく他人様の家や部屋を見る機会が多くあります。これまで見たお住まいは数千軒にのぼるでしょうか。そのなかで、以前、こんな方に出会いました。 ある70代の男性です。とにかく他人の世話になるのが嫌で、人付き合いをほとんどしないで暮らしていました。もともと建築関係のお仕事をされていて体力には自信があったようですが、無情にも体は衰えていきます。 私がお会いしたときは、すでに足を悪くされていて下半身の自由がきかず、這いずるようにして部屋の中を移動していました。それでもなお、人の手は借りたくないし