明治学院大学教授 石原 英樹 3月31日に東京都渋谷区議会で「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」いわゆる「同性パートナーシップ条例」が可決されました。同性カップルに「男女の婚姻関係と異ならない程度の実質を備える」と認める「パートナーシップ証明書」を区長が発行できるようになります。 こうした動きが進む背景には、日本社会が、性的マイノリティつまり少数者に対して寛容な社会になってきたからだという意見があります。 今日は、性的マイノリティへの寛容性上昇から見えてくる現代日本社会の課題についてお話します。 しかしこちらの図を見ていただければわかりますように、ここ20年の日本社会は、他の多くの国と同様に、同性愛を「正しい」「認められる」とする人が増え、寛容になってきています。 では、日本社会はあらゆることに寛容な、「なんでもあり」の社会になったということでしょうか。そうではな