正午過ぎ。うんうん唸り、すれ違うギャルを胸を中心にねっとり眺め、よたよたーっと小田原市街を歩いていたら、覆面レスラーをやっている友人から電話がかかってきた。初恋ガールの入籍と親友の葬式が一緒にやってきたってここまで落ちないだろーっ、ていうくらいに僕が落ち込んでいるのを、マスクの下から察したらしい。さすがスカイハイ。チャーパカパカパ♪昼のリングと、夜のマットで、鋭く鍛えられた眼力たるや加藤鷹クラス。ブラボー。潮吹いちゃうじょじょー。僕は、とても順調からは程遠い状態なのだけれど、彼も、やれ試合がなかったり、ファイトマネーが払われなかったりとぱっとしないらしい。最近は魔法使いのお伽噺をして過ごしているという。で、その覆面レスラー友人が凹んでいる僕に何を語りかけるのだろうなんて、シャープ製携帯を握る手に汗をかき、ぎりぎり身構えていたら、「最近、『聖闘士星矢』にはまっててさー。三巻まで買ってきた」な