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闇夜に関するDelete_Allのブックマーク (37)

  • 鳥取不審死7人目…女のアパート隣室40代男性(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース

    詐欺容疑で逮捕された鳥取市の元スナックホステス(35)の周辺で知人男性6人が不審死している事件で、約3年前、女が住んでいたアパートの隣室の40代男性が突然死していたことが10日、スポーツ報知の取材でわかった。 女は十数年前から、実家のすぐそばの八頭町内のアパートで元夫や子どもと在住。現在もゴミが散乱するその部屋の隣室に、約3年前、借金などのため離婚した40代半ばの男性が単身で引っ越してきた。だが、入居からわずか数か月で、突然死した。死因や女と交流があったかは不明だが「急に弱って死ぬような感じではなかった」(近隣住民)という。 また今から4、5年前の冬には、女が住んでいたアパートの隣の棟で、不審火もあった。この部屋には女の義理の叔母が、離婚して単身入居。叔母は高齢で体調もすぐれず、火の扱いには細心の注意を払っていたが、ホステスの女がある日、叔母を連れて外出。帰宅して叔母が玄関の扉を開ける

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    Delete_All 2009/11/11
    鳥取サーガが現実に!
  • 闇夜(やみよる)45 - 村上F春樹

    ねえ 綾香 あたし達の出会いを覚えてる? あたしは運命とか かなり信じちゃうタチだから これはやっぱり運命だと思う 笑ってもいいよ あたし達の出会いを覚えてる? 鳥取の町はいつの間にか、バットマンが暴れ回るようになっていて、電車が走ったり止まったり。結局、今日も学校まで行くのに5時間もかかってしまったけど綾香との会話を盗聴したファイルを聴いていたあたしは少しも退屈しなかった。だけど綾香は自分のことばかりしゃべってあたしの話は少しも聞いてくれてなかったね。ときどき意味不明だし。今だって鳥取駅の改札前でおしゃべりをしていたのにバットマンがホテルニューオータニを爆破しにくるって聞いた途端、レンから借りたギブソンのフライングVを担いで北口へと飛び出しちゃったね。 ねえ 綾香 あたしは今、あなたを後ろから見つめている。怪人との戦いで擦り切れた白い夏の制服。つむじ風に翻る短いスカート。肩に担いだフライ

    闇夜(やみよる)45 - 村上F春樹
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    Delete_All 2009/01/26
    F先生突然の復活。F先生、少女漫画が好きなのかな…
  • ケータイ小説『闇夜(やみよる)』44話 - 村上F春樹

    「移動だ、移動がはじまったのだ」と男はポケットを落ち葉でいっぱいにしながら歩道橋の下を絶え間なく走る長距離トラックに向かって呟いた。福島県と山形県をつないだ新国道13号を移動する大きな車体が男の濁った目には、アフリカのサバンナを駆けるヌーの群れに映る。 いま、男は大自然を生きる動物の生態を調査する動物学者だった。トラックのマフラーから吹き出された黒煙は乾いた大地の砂煙、アスファルトとタイヤが摩擦するゴリゴリという騒音は彼らの生命の主張だった。ついさっきまで、頑なに自らを骨相学の創始者であるフランツ・ガルであると言い張ってやまなかったこの男を、誰も気に止めなかった。ましてや彼がかつて、北日独立紛争時の勇士、ブルース・ウェインであることなど分かりようがない。みすぼらしく汚れたコートの袖に収まった腕は醜く萎縮し、薬物の影が彼の全体を覆う。彼の象徴であった巨大な男根さえ、干物のように股の間にぶら

    ケータイ小説『闇夜(やみよる)』44話 - 村上F春樹
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    Delete_All 2009/01/13
    バットマン復活!施設名ACIDTANK!
  • 闇夜(やみよる)43 - 村上F春樹

    絵里子が十六歳で初めて男を知った次の日の朝、彼女自身が後に「トライブ・コールド・クエスト」と名づける能力が覚醒した。まっ黄色な寂寥の中、目を覚まし、シャワーを浴び、下着を履き、電子レンジで暖めたレトルトのコーンスープに口をつけた瞬間に、舌を火傷する自分自身のビジョンが脳裏に焼きついた。絵里子はシャワーから出ると、下着を履く前にレンジを止め、下着を履き、いい火加減になったところのコーンスープを安心した心持でいきなりゴクゴクと飲んだ。そのことは絵里子にとって、すんなりと受け入れられる事態だった。ジャスト・ファクツ。絵里子は約二分先(実際は、地球が太陽の周りを公転する時間の二十六万二千四百七十三分の一の感覚だが、このときの絵里子にとって知る余地もなかった)まで未来を予知することができるようになっていた。絵里子はハッと思い、額をさわった。が、別にハゲてはいなかった。安心パパ。いや、安心した。 一週

    闇夜(やみよる)43 - 村上F春樹
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    Delete_All 2009/01/07
    F先生の暴力妄想にイキ狂え!/新年早々F先生からIDを叫ばれて勃起しそうになりました。
  • 闇夜(やみよる)42 - 村上F春樹

    暴力は感染する。ひとつの暴力が新たな暴力を呼び起こす。鳥取市郊外で薪割りをしていた田中邦衛は己の身体のなか、意識の底で沈黙していた悪の蘇生を知った。内蔵の内側でうごめきを感じた。俺は…俺は…。田中邦衛は頭を抱え、両の手で顔を被う。赤子のように涙が溢れてくる。こぼれてくる。「これでは…」、田中邦衛は卑屈に笑った。「これではまるで栓の壊れた水道だ」。 東北戦線から帰還した田中邦衛の心と身体は戦争後遺症で蝕まれていた。戦場から戻った邦衛を待っていたのは腐りきった人々の姿。とりわけ戦争などそ知らぬ顔で鳥取砂丘に突き刺さったテポドンを観光名所にしようと企ててる役人ども。田中邦衛は絶望した。俺はこんなもののために命を掛け戦ってきたのか。首を切られ顔を抉られはらわたの浮く血沼で息絶えていった戦友はこんな奴らのために戦っていたのか、と。そして俺も。田中邦衛の顔に一瞬別の顔が宿る。「とっくに死んでいる」。

    闇夜(やみよる)42 - 村上F春樹
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    Delete_All 2008/12/23
    ジョーカー!
  • 闇夜(やみよる)41 - 村上F春樹

    破壊は常に創造とともにある。弁証法において、否定が常に綜合と手を結んでいるように。東京を飲みつくそうと言う破壊の焔が7日間燃え続ける一方で、北日の中心である宮城県仙台市では新しい巨大建築物の建造が進められていた。20世紀の後半に北朝鮮で建設が始められつつも諸事情から建設作業が中断し、結局、完成の日の目を見ずに小型核弾頭によってガレキの山と成り果てた柳京ホテルの意匠を引き継いだ、その建築は新国家に相応しいモニュメントとなるはずだった。しかし北日独立紛争の天王山と呼ばれた火の7日間が終わったこの時点では、その高さ330メートルにもなる超々高層ビルは地下施設を組み入れるための、巨大な縦穴に過ぎない。かつて「東北の歌舞伎町」と呼ばれた仙台市国分町の歓楽街跡地に、その穴は存在していた。 「私はね、『東北の歌舞伎町』という呼び名。これが昔から嫌いでね。どうして歌舞伎町が『関東の国分町』じゃないんだ

    闇夜(やみよる)41 - 村上F春樹
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    Delete_All 2008/12/11
    東北戦争篇/F先生のヘビメタ伊藤愛とプロレス愛が凄いYO!/「闇夜」史上最大のボリューム!
  • 闇夜(やみよる)40 - 村上F春樹

    犬川隼人は、女を物色している。それは毎日続いた。男の、日課だった。男は東京メトロ渋谷駅銀座線ホームと男子トイレを清掃する仕事をしている。自分を恥じている。当の俺ではない、と思う。当の俺を発揮せねば、と思う。当の俺は世界を動かしうる存在なのだ、と思っている。40を過ぎたころ、男は、あきらめる。認める。自分は敗北者なのだと、知る。知った、と思う。犬川の血筋に、夢(それがなんなのかは犬川自身にもわからないのだが)を託さねばならぬ、と至る。俺にふさわしい、犬川の名にふさわしい女を捜さねばならぬ、と、男は、至る。 それから犬川の女探しがはじまる。犬川は東急田園都市線を使って出勤している。仕事は7時に始まり、16時に終わる。仕事が終わるとスターバックスで18時まで時間を潰し、電車に乗る。 冬のある日、犬川は「これだ!」と自身が感ずる女に出くわす。年のこうは三十くらいであろうか、強いまなざしをして

    闇夜(やみよる)40 - 村上F春樹
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    Delete_All 2008/12/07
    先生…あまりにも美しく病んでいて…素晴らしいよ…。
  • 闇夜(やみよる)38 - 村上F春樹

    歴史?」 シャマランは聞き返した。あまりにも大袈裟で、概念的過ぎる名を名乗った男の神経が正常なものかどうか測りかねたのだ。 「そう。歴史だ」 男は繰返した。 「気になるか?」 男の問いかけに対して、シャマランは黙ってうなずいた。 「じゃあ、少し俺の話をしてやろう。俺がなぜ歴史なのか。文字通り、俺は歴史なんだよ。今俺たちがいる日列島のなかに2つの国が生み、世界の一部を変えたあの戦争を含んだ歴史は俺そのものなのさ――こんな風に話してもまだお前には理解ができないだろうがな。この話を理解するには、ちょっとした忍耐が必要だ。お前が話を聞いていたあの嘘つき先生には、それがちょっと足らなかった。だから、こんな地下に落ちちまったんだよ。 セカンドインパクトを知ってるか?あの戦争よりも随分前の話になるが、あのとき俺はオホーツク海の蟹漁船の乗組員のひとりに過ぎなかった。しかし、あの日以来俺は一種の予知能力

    闇夜(やみよる)38 - 村上F春樹
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    Delete_All 2008/10/26
    オマンコーノフさんカッコよすぎるYO!セカンドインパクトって…F先生…。
  • 闇夜(やみよる)37 - 村上F春樹

    オレはツッパリヨシフミ。つっぱってる。オレはどこかわからない谷の中で不思議な女とあった。 だが、次の瞬間、オレはたそがれた小汚いバーの片隅のテーブルに腰掛けていた。向かいにはさっきの女。美人だが、よく見ると若干あごがしゃくれている気がしないでもなかった。オレたちが腰掛けている背の高い鉄製のイスには木の背もたれと腰掛があり、オレのケツに冷たさを感じさせる。オレたちは木製の丸いテーブルに肘をつけて向かい合っていた。テーブルの上には、誰かのピザのべカスだろうかチーズのようなものやら酒のあとやらくっついていた。だが、その汚さはオレを少し落ち着かせてくれてもいた。オレはまったく状況が把握できていないにも関わらず、リラックスした気分になり、その女のことも少し忘れかけていた。 「私は今井絵理子」 女が突然しゃべりだして、オレはぎょっとした。 「え?君は…ここはいったい?」 「ここは苫小牧の小さなバー」

    闇夜(やみよる)37 - 村上F春樹
  • 闇夜(やみよる)36 - 村上F春樹

    黄昏のなか一人の男が鳥取砂丘をなぞるように走る旧国道9号線のガードレールに寄りかかっている。男はアスファルトで乱雑なギンガムチェックを刻まれた車道に向かって忌々しさを振り払うかのように唾を吐いた。「くそっ」。降り立ったばかりの鳥取の日海から吹き付ける風は男の予想より穏やかで、それが男の苛立ちをいくぶん和らげてはいた。男は己の愚かな行為を棚上げにして、ふりかかった不幸を呪い続けていた。「なぜスターだった俺が…」「なぜ俺だけが…」と。 現在、男は非公式ではあるが北の軍籍に身を置いている。そこで世の中から見棄てられた男に与えられた指令は自衛隊のトップシークレット「クローソー」の破壊。戦争中に何千、いや何万の血で塗られた引き換え券に記されたクローソーのパルスは鳥取市内の女子高生西脇綾香のそれと完全に一致していた。男の目標は西脇綾香の破壊となった。24時間前。男の電脳にクローソーの情報が送られてき

    闇夜(やみよる)36 - 村上F春樹
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    Delete_All 2008/10/06
    生きてたんだ…。大麻で捕まったのかと思った…。
  • 闇夜(やみよる)35 - 村上F春樹

    28種のスパイスをオリジナルにブレンドして作った看板メニュー「ひよこ豆と鶏肉カレー」は自家製ナンと一緒にべると絶品!トマトとたまねぎをベースに作っているので、辛いものが苦手な方にもオススメ!と鳥取市内のOLの間で評判だったカレー・ショップ「シャマラン」を経営していたデンマーク系インド人、サヴィトリ・ヘルツ・ボーマンシュタイン・シャマランが途方に暮れていたのは、近頃話題のバットマンに10年続けていた店を徹底的に破壊されてしまい見事に生活の基盤が崩壊してしまったからだった。バットマンによって叩き割られたガラスの破片のようにシャマランの生活の術は破壊され、彼は行き場を失ったのだ――6000枚を超えるゴアトランスのアナログ・レコードを保有していたこともあり、鳥取市内のクラブ「フロム・ダスク・ティル・ドーン」で月に一度「シャマラン☆ナイト」というイベントを開催する人気DJとしても活動をしていたの

    闇夜(やみよる)35 - 村上F春樹
  • 闇夜(やみよる)34 - 村上F春樹

    鳥取第一体育館の中央に造られた特設リングにバットマンが舞い降りる。オレはすっかり目が点だったが、バットマンとレンの様子を冷静に見つめようとしていた。 「TAIMAHHHHHHHHHHH!!!」 叫び声とともに客席からサングラスの大男が立ち上がる。いや、サングラスではない…と思った瞬間その眼のあたりからレーザー光線のようなものが発射されてリングのバットマンを襲う。バットマンは華麗なイナバウアーを披露するとビームを避ける。ビームはリングのロープを焼き、反対側の客席へと照射されて、親子連れ四人家族の小学生くらいの息子の頭を貫通し、息子は直立したまま脳漿を周囲に撒き散らし悲鳴が上がる。オレの2.0を超える視力は完璧にそれを捕らえていた。ビームをきっかけに館内は阿鼻叫喚のパニック状態に陥る。人々が叫びながら出口に向かう。レンも一目散に後方に向かって走り始めるがオレはバットマンから目が離せない。 バッ

    闇夜(やみよる)34 - 村上F春樹
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    Delete_All 2008/09/26
    F先生…。
  • 闇夜(やみよる)33 - 村上F春樹

    何度呼び鈴を鳴らしても羽鳥の出てくる様子がなかったので私はミドルキックを羽鳥の部屋の分厚い扉へお見舞いした。私はまだ鳥取市内のすべてを掌握していたし、羽鳥のケータイのGPSがこの部屋を指し示しているのをもわかっていたから自信を込めてキック。扉が壊れたら?何度も鳴らしたのに出てこない羽鳥が悪い。マジガンギマリ当たり前。乙女キックを受けた扉はゆっくりと部屋の内側へ倒れ、私は足を中へと踏み入れる。ガゾゾゾジョリジョ。引き摺るような音が暗闇からする。おかしい。部屋の灯りは点いている。私は目を凝らす。暗闇ではない。巨大な黒い物体から音がしている。ジョジョジュオ。崩れた球体。黒く細いワイヤーが球体を支えつつ移動している。羽鳥の声、もうそれはかなり微弱になってはいたけれど、この黒い物体のなかからした。私は黒い物体に近づき手を伸ばす。すると黒い物体の一部がびょっと伸びて私の右手の指先から肘までを掴んだ。細

    闇夜(やみよる)33 - 村上F春樹
  • ケータイ小説『闇夜(やみよる)』32 - 村上F春樹

    自作自演の知事誘拐事件に対する北日の暴力による抗議行動が始まった途端、政府の要人たちは次々と東京を離れていった。総理大臣、木村拓哉も例外ではない。というか私の記憶によれば、あのとき一番最初に首都を離れたのは、彼だったと思う。私たちはあのとき、この国が20世紀のなかばに味わった屈辱の再現をテレビ画面の前で待っていた。休戦――といえば聞こえは良いが、それは明確に敗戦だった。しかし、それでも私たちは構わなかった。疲労しきっていたのだ。大人だけではない。私の受け持っていた生徒たち――戦争が始まる前は夏の青草のように溌剌とした表情を見せてくれた彼らの表情にさえ、絶望的な疲労がおよんでいたのだから。みんな悪霊に憑かれたみたいだった。それこそ、私たちは屈辱を待ち望んでいた。函館沖のメタンハイドレート?北日の独立?そんなものはどうだって良いじゃないか。そんなことよりも私たちに必要だったのは休息だった。

    ケータイ小説『闇夜(やみよる)』32 - 村上F春樹
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    Delete_All 2008/09/18
    F先生…!!!
  • 闇夜(やみよる)31 - 村上F春樹

    オレはツッパリヨシヅミ、つっぱってる。名は斉藤智文なんだけど、みんながヨシヅミって呼ぶのは石原良純ってのに顔がそっくりだかららしい。オレはそのヨシヅミは知らないが、ヨシヅミって呼ばれるのは嫌いじゃなかった。だからヨシヅミだと名乗る。名はいつかその人の質になっていく。今じゃオレはヨシヅミだからオレなんだと思う。 突然だが少しヘビーな話をすると、オレのマブダチでバンドのベースのジョニーの彼女のテルミが始皇帝の連中に姦わされたのが先々週の金曜。テルミが部屋で首を吊ったのが先週の日曜。学校休んでメールも返さないテルミをおかしいと思ってテルミの家に電話してテルミのお母さんの4年ぶりくらいに喋ってテルミが意識不明の状態で鳥取総合病院に入院してるのがわかったのが月曜。オレはすぐにやばいと思ってジョニーを探したが、ジョニーはもう勝手に復讐に行って、あっさりと返り討ちにあってレンチで頭を殴られて頭蓋骨陥

    闇夜(やみよる)31 - 村上F春樹
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    Delete_All 2008/09/13
    新展開!
  • 闇夜(やみよる)30 - 村上F春樹

    羽鳥が失踪したけれど手がかりがないので私はどーんと構えることにした。だいたいキクリンを探すように頼んだのになんで失踪するわけ?ちょーマジムカつく。私はV6(ぶいろく)の岡田の粗末なモノを忘れるためにパパに無理矢理に入会させられたダンス教室「つきかげ」に顔を出した。準備運動をして身体を温める。それから手足に気合を入れて動かす。wiiフィットで鍛えぬいた足を振り上げる。アン・ドゥ・トロワ。アン・ドゥ・トロワ。アン・ドゥ・トロワ。アン・ドウ・トリャー!アン・ドウ・トリャー!私より先に教室に来ていたエリカとアユミが不細工な顔で私の華麗な舞いに我を忘れているのを私は感じる。ふふふふ。まあ私から見てもエリカのフラメンコは顔と同じで学校で飼ってる鶏が飛び跳ねるみたいな不細工な踊りだし、アユミは努力しすぎな感じが見てて暑苦しいのよね。申し訳ないけれど。まあ、とくと見たまえダンス生徒諸君!アンドウトリャー!

    闇夜(やみよる)30 - 村上F春樹
  • 闇夜(やみよる)29 - 村上F春樹

    南北会談の舞台として設定されたホテル・ネオ・オークラの「麻生の間」に各地からメディア関係者が詰めかけていた。会談を終えた南北の代表者たちがここで会見を行う予定だったのだ。1年と2週間前の北日連邦の独立宣言、および宣戦布告ぶりに全世界の目がこの極東の島国に集まろとしていた――江戸幕府の時代から中央政権によって治められてきた列島のなかに新しい国家が生まれ、承認された瞬間を目撃しようと。世界中から集まった記者、ジャーナリストたちは歴史的な事件を目前に控え、落ち着かない様子で各々が用意したカメラをいじっていた。 しかし、彼らの期待をよそに冷や汗をかき続けていたのは、日国首相、木村拓哉だった――北日からやってくるはずの7人の県知事たちが姿を見せないのだ。来ならば、7人の県知事たちを載せたVIP用のリムジンがホテル・ネオ・オークラのエントランスに乗り付けるはずの時間からとうに3時間が経過してい

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    Delete_All 2008/09/10
    北斗の拳!湿った目をした男!
  • 闇夜(やみよる)28 - 村上F春樹

    おはよう。 こんにちは。 おやすみ。 さようなら。 ありがとう。 それは、ただの挨拶。Just a 挨拶。誰でもする挨拶。愛する人に、友達に、好きでもない人に、送る言葉。声をかけるその行為そのものによって、それぞれの宇宙を流れる星は一瞬でもお互いを認識できる。真っ暗な孤独の中では、それですら充分に救いになる。だが、俺はもはや挨拶をする人間を一人も失ってしまったらしい。いつからか、こうなった。これは俺の望んだことのはずだった。何も悲しくはない、そうだろう。そういうことなのだろう。考えないようにしているが、俺はおそらく同性愛者なのだと思う。思い出すのも嫌になるが、小学生のとき、あの修学旅行の夜、最悪な形でそのことは露呈してしまった。 全員が俺を蔑み遠ざける中、綾香だけは俺の友達でいてくれた。俺はそれから綾香のことは少しだけ信頼していた。バスケ部の試合の応援で、興奮しすぎた綾香が拡声器で「オジャ

    闇夜(やみよる)28 - 村上F春樹
  • 闇夜(やみよる)27 - 村上F春樹

    角界を追われたアウトロー力士が繰り広げる大麻相撲中継が終わったので、私は電脳空間「スプロール」に没入、テレビをオフにした。地デジver3.0が呼応して光を失うのをリアルの網膜で見る。再び没入。ミュージックボックスからお気に入りの曲を取り出し電脳で聴く。電気信号化されて染み込んでくるミュージックは壊死した水母のようだ。私ははるか昔、同じことを口に出したことがある。ヨコハマ。中華街。私の言葉を聴いた男は「鼓膜で聴くのと変わらないさ。旦那は凝り性、アーティストすぎるのさ」と言って翌朝、牧D-4埠頭の冷たい海に浮いた。ライセンスを所持していない私はため息をつきながらサウンドを待つ。やれやれ。電脳にため息は存在しない。私が選んだ曲は発表当時は泣かず飛ばずで、3rdシングル「恋がピカピカ」とベスト盤を出した後、TKプロデュースで行方不明になったグループのものだ。曲が流れだす。GIRL NEXT DO

    闇夜(やみよる)27 - 村上F春樹
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    Delete_All 2008/09/08
    ガンバレF先生!
  • 闇夜(やみよる)26 - 村上F春樹

    1週間もあればこんな争いは収まるだろう、北日連邦などという馬鹿げた妄想染みた国など消え去ってしまうだろう――という予想はすべて裏切られ、南北に別れた日列島における紛争は長期戦の様相を見せ始めていた。しかし、圧倒的に優勢だったのは世界から孤立していたはずの北日の方だった。その要因のひとつとして、函館沖に浮かんだ巨大パイプが生み出す豊富な資源があげられよう。7人の県知事たちは、中国そしてロシアの闇商人たちと密約を結び、無尽蔵のメタンハイドレートと引き換えに料、兵器、そして傭兵を得ていたのだ。無論、その影にはセルゲイ・オマンコーノフの存在がある。北日連邦は富んだ。まるで千数百年もの昔に存在した奥州藤原氏治世下の栄華が蘇ったようだった。独立宣言の日に燃えるようにして興った祭の晩から、北日の人々の誰もが実際の歳よりも20歳は若く見えるほどに生き生きとし、街には物が溢れ、まるでそこには戦時

    闇夜(やみよる)26 - 村上F春樹
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    Delete_All 2008/09/05
    歴史篇もいい!!!