フェイクドキュメンタリーなタッチで始まる導入部。主人公は無意識にエイリアンを差別する最低の小人物で全く感情移入できない。観客は、それを酷いなーと思うんだけど、一方カメラの前でゲロはいたりオシッコしたりするエビ星人だって最悪と思ってしまう。アバターのエイリアンとかは見た目に多少違和感あっても清潔で高潔で文化レベルも高い。だから感情移入しやすいんだけど、エビ星人には感情移入する余地が無いわけです。 観客は、「差別してないつもりなのに差別してしまう」という劇中の殆どの人類と同じような状況に置かれている。非常に上手いつくりになっています。これは差別の構造そのものであり、観客は非常に居心地がわるい感じになります。 以降はネタバレを防ぐために詳しくは語りませんが、物語後半に主人公は色んな意味で化けるわけです。ギリギリまでサイテーでよわっちい主人公が人生の中で一度だけ滅茶苦茶カッコイイことをしてしまうん