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家帰ったらもう一度読と闇夜に関するDelete_Allのブックマーク (2)

  • 闇夜(やみよる)37 - 村上F春樹

    オレはツッパリヨシフミ。つっぱってる。オレはどこかわからない谷の中で不思議な女とあった。 だが、次の瞬間、オレはたそがれた小汚いバーの片隅のテーブルに腰掛けていた。向かいにはさっきの女。美人だが、よく見ると若干あごがしゃくれている気がしないでもなかった。オレたちが腰掛けている背の高い鉄製のイスには木の背もたれと腰掛があり、オレのケツに冷たさを感じさせる。オレたちは木製の丸いテーブルに肘をつけて向かい合っていた。テーブルの上には、誰かのピザのべカスだろうかチーズのようなものやら酒のあとやらくっついていた。だが、その汚さはオレを少し落ち着かせてくれてもいた。オレはまったく状況が把握できていないにも関わらず、リラックスした気分になり、その女のことも少し忘れかけていた。 「私は今井絵理子」 女が突然しゃべりだして、オレはぎょっとした。 「え?君は…ここはいったい?」 「ここは苫小牧の小さなバー」

    闇夜(やみよる)37 - 村上F春樹
  • 闇夜(やみよる)28 - 村上F春樹

    おはよう。 こんにちは。 おやすみ。 さようなら。 ありがとう。 それは、ただの挨拶。Just a 挨拶。誰でもする挨拶。愛する人に、友達に、好きでもない人に、送る言葉。声をかけるその行為そのものによって、それぞれの宇宙を流れる星は一瞬でもお互いを認識できる。真っ暗な孤独の中では、それですら充分に救いになる。だが、俺はもはや挨拶をする人間を一人も失ってしまったらしい。いつからか、こうなった。これは俺の望んだことのはずだった。何も悲しくはない、そうだろう。そういうことなのだろう。考えないようにしているが、俺はおそらく同性愛者なのだと思う。思い出すのも嫌になるが、小学生のとき、あの修学旅行の夜、最悪な形でそのことは露呈してしまった。 全員が俺を蔑み遠ざける中、綾香だけは俺の友達でいてくれた。俺はそれから綾香のことは少しだけ信頼していた。バスケ部の試合の応援で、興奮しすぎた綾香が拡声器で「オジャ

    闇夜(やみよる)28 - 村上F春樹
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