文/中村康宏 肥満人口は増え続けており、社会問題となっています。食生活や生活環境が大きく変わったことがメタボリックシンドローム(以下、メタボ)の大きな要因と考えられています。 メタボの診断において「肥満」は必須項目となっていますが、それはさまざまな疾患の危険因子となるからです。そこで今回は、肥満が関係する病気とそのメカニズムについて解説し、あわせて近年明かになった「カロリー制限と長寿効果の関係」についてもご紹介します。 ■肥満の基準とは 日常臨床では、肥満の判定基準として、簡易的に「BMI」が用いられます。この「BMI」 は、いまの体重(kg)を、身長(m)×身長(m)の数値で割って求めます。簡単ですので、ぜひ皆さんも電卓片手に計算してみてください。 日本肥満学会では、BMI:25以上を「肥満」とし、BMI: 25~30を「肥満1度」、BMI: 30~35を「肥満2度」、BMI: 35~4