現在の名古屋城。木造天守閣復元を巡り名古屋市は、完成時期が最短で2032年度になるとの見通しを示した=名古屋市中区で、本社ヘリ「まなづる」から 名古屋城の木造天守閣の復元事業を巡り、名古屋市は14日、完成時期は最短で2032年度になるとの見通しを明らかにした。これまで工期の見直しを繰り返し、22年末の目標を断念して以来、具体的な完成時期が示されたのは初めて。ただ今後の手続きや工事が想定通りに進んだ場合の目安との位置付けで、さらにずれ込む可能性もある。 同日の市議会経済水道委員会での答弁で市側が示した見通しでは、現天守閣の解体と木造復元を一体化した整備基本計画を22年度末までに策定し、23年度の早期に文化庁に提出。その後、同庁の有識者会議「復元検討委員会」での審議を経て、現状変更の許可取得を目指すことになる。
名古屋城天守木造化を巡り、名古屋市は2日、「建設計画を必要に応じて見直す」との方針を市の有識者会議「石垣部会」に示した。江戸時代から残る石垣を傷めると判断した場合、別の工法などを検討するという。石垣の保全を重視する同部会から木造化計画の了承を得られておらず、市が歩み寄った。 市が計画しているのは、木造新天守を支えるコンクリート構造物を、天守台石垣の内側に埋め込む工法。これには石垣上部を外す必要があるが、石垣部会の千田嘉博委員(奈良大教授)から「歴史的な構造を破壊し、史跡整備の原則から離れている」と強い反対を受けていた。市はこれまで「天守台上部に歴史的な石はない」とみていたが、今回、「江戸時代の石が残っている可能性が高い」とする調査結果を示し、方針を転換した。 市は10月中に文化庁から木造化の許可を得る予定だったが、石垣部会の了承を得られず、断念した。2022年末の完成を目指す河村たかし市長
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