映画監督、黒澤明の記念館建設を誘致した佐賀県伊万里市は23日、施設の建設と運営にあたる黒澤明文化振興財団(黒澤久雄理事長)が約3億8千万円の寄付金の大半を建設前に使い果たしてしまったことから、建設の期限を区切る新たな誘致契約を財団と結び直す方針を明らかにした。現時点では誘致は断念しない。 この日午前、伊万里市議会の全員協議会で塚部芳和市長が表明した。市によると、4月末までに黒澤財団から今後の資金計画の提示を受けた上で、市と財団が再び契約を結び直し、記念館の建設時期を盛り込む。 市が1998年、黒澤監督の長男の久雄氏が社長を務める黒澤プロダクションと結んだ誘致契約には、建設の期限が盛り込まれていないため、財団が建設計画を断念しない限り、市側から計画中止を表明しにくかったという。 市は98年、「記念館を建設する権利」として黒澤プロに約1億円の権利金を支払った。黒澤プロとの契約では、建設が