昨今、気候変動対策やウクライナ情勢によるエネルギー安全保障問題で、再び原子力に寄せる期待が大きくなっている、というメディア記事が増えました。 すると、どうでしょう。再生可能エネルギーについてはネガティブな情報以外飛びつかない方々、自称冷静で中立的で科学的な立場の人々、原子力ゾンビが元気になってきております。ゾンビとゴキブリは早めの駆除が良いですから、このへんで、原子力の復活は無いよ、という話をいたします。 間に合わない まず、大事なことですが、そもそも今から原子力を拡大させても気候変動対策やウクライナ情勢に端を発するエネルギー資源不足には到底間に合いません。 原発は計画から送電開始まで最低でも20年は掛かります。現在の規制状況に適応させた新設となれば、30年経っても完成に至るか判りません。なぜなら、安全基準に対応した新型原発、というものは日本では計画さえされていないからです。新たに設計し製
岩波の『科学』4月号を読んだのだがねえ。過剰検査論の否定がトテも面白い。フクシマの被害を過小に見せかけるための「福島県の甲状腺がん多発は過剰検査の結果、原発事故のせいではない」が明確に否定されている。 過剰検査論の骨子は「過剰診断で健康上は問題にならない小さい病変まで掘り起こされた」である。小さい腫瘍は小さいままで生命に危険を及ぼすには至らないので健康問題には至らないと、彼らの多くが馬鹿にしていた「がんもどき」理論そっくりの主張をしていた。 それが「2巡目の検査でも甲状腺がんは多数発見されている」で否定されている。「一巡目で悉皆発見されたなら二巡目には少なくなっているはずである。だが、それがない。つまり甲状腺がんは多発している」といった内容である。白石草さんの「症例把握なき過剰診断論 -現実から乖離した甲状腺検査の評価」中343ページの該当部を抄訳するとこのような内容である。 もう一つは別
「処理水」海洋放出へ 風評被害の対策強化|日テレNEWS24 「風評被害」というのは、日本政府と東京電力にとって実に便利な言葉です。なぜなら、汚染水の海洋放出による漁業被害に関して、汚染水の海洋放出による健康被害を憂慮する人たちを加害者に仕立て上げることで、政府と東電は加害責任を免れることができるのですから。 汚染水を「処理水」と言い換えたところで*1海洋放出する水が放射性物質に汚染されている事実は変わりません。それでも、政府と東電は「科学的には安全だ」と強弁するでしょう。しかし、経産省も認めているように*2、「ALPS処理水」には政府が安全だと主張する*3トリチウム以外の放射性物質が含まれています。それゆえ、政府と東電が「科学的には安全だ」と言ったところで、ストロンチウム90などによる健康被害への懸念は払拭されません*4。また、政府は五輪招致のプレゼンテーションで当時の首相が「汚染水は福
驚いたのだが、2017年に宮崎早野論文をもって被曝線量評価が過大だと主張する記事を書いていた鈴木洋子記者が、2020年に鎌江らのコメントや感染研らの資料をもとにPCR検査抑制のロジックを解説する記事を書いていた。ある意味、共通する… https://t.co/Mfp2NOR83n
33. 早野龍五氏の「科学的」(2021/4/12。4/13追記、修正) 早野龍五氏が 2/25 に 『「科学的」は武器になる』なるタイトルの著書を上 梓しました。構成担当として石戸諭氏の名前もみえます。 ここでは、まず、早野氏がいわゆる宮崎早野論文問題についてこの本でどのよ うな主張をしているか、ということだけを議論します。他にも数多くの問題が ありますが、それはまた別に論じることにします。問題の箇所は192ページの 最終行から196ページの最初の行までの3ページ強です。最初からみていきます。 論文といえば、僕は、自分も共著者になった論文について、内容の間違いを 指摘されました。伊達市から提供を受けた市民の計測データについて、分析 の計算式に誤りがあり、さらにデータが市民の許可を得ずに提供されていた という指摘を受けたのです。(192-193ページ) まず、「指摘」は「内容の間違い」では
サンドウィッチマンが福島第一原発に入ったと。俺なんかが必死に取材して書いても、こういうNHKの番組には勝てんよね。ただ、こういうのは、東電が見せたいところだけを見せているのは明らかなんよ。
去る8月30日から31日にかけて、東京電力福島第一原子力発電所(福島第一:1F)で貯まり続ける「トリチウム水」の海洋放出について社会的同意を求めるための公聴会が福島県と東京都の三会場で経済産業省(経産省:METI)により開催されました。 その7日前に当たる8月23日に河北新報により、8月27日にフリーランスライターの木野龍逸氏により「トリチウム水」には、基準を超えるヨウ素129などの放射性核種が含まれていることが報じられました。 (参照:処理水の放射性物質残留 ヨウ素129基準超え60回 17年度 | 河北新報 2018年08月23日木曜日、トリチウム水と政府は呼ぶけど実際には他の放射性物質が1年で65回も基準超過(木野龍逸) – Y!ニュース 2018年08月27日月曜日) これら報道への反響はたいへんに大きく、30日からの公聴会は全会場、全日程で大荒れとなり、市民からは反対の声が多勢を
■この件はこのブログで触れる予定ではなかったのですが,インターネット上のとある場所に書き込みがあり,思うところがあって記事を書きました. ■東日本大震災に伴う福島第一原発事故においてはインターネット上で様々な情報が飛び交っているのは御承知の通りで,その中にはデマが多数混じっていること,これらのデマに便乗して活動している学者がいることも事実です.その上で,とりわけ注目されている小児の甲状腺の問題はこの4年間で多数のデータ報告が出てきました.放射能の影響がどの程度あるのか,今後も見ていく必要がありますが,少なくともデータを客観的かつ公平にバイアスなく解析・考察する必要性がでてきます. ■そのような中,先日,岡山大学の津田敏秀先生の論文がEpidemiology誌にpublishされました.甲状腺癌の推移のモニタリングは今後も必要であり,データを解析しようとした津田先生の姿勢は,内容の妥当性は別
先日のエントリーに色々と意見が寄せられたので、回答していきます。 http://b.hatena.ne.jp/oakbow/20150906#bookmark-265107079 再生エネルギーが不安定なのは事実じゃないかな?太陽光なら夜間とか。他国からの輸入で増減を調整できるドイツと違って、日本はなかなか依存率上げにくい気がするのだけど。もう少し細かい話があるといいなー http://b.hatena.ne.jp/Dursan/20150906#bookmark-265107079 日本が欧米みたいに陸つながりでガスをパイプラインで引けて、電力を共有出来てシェールガス採掘や石炭を大量に露天掘りが出来るのならばねえ…50/60Hzの問題もあるなど他国の状況はあまり参考にならないかと。 http://b.hatena.ne.jp/tailwisdom/20150906#bookmark-26
将来の電力コストと電源構成はと、問われたならば、そんな難しいことは私には分かりませんと答えるのが、この問題に対する正解であると考える。 しかるに、経済産業省は原子力発電比率を20~22%とし、原子力が発電として最も安いコストとする報告を出したとのマスコミ報道が多くある。例えば、次のような報道である。 日経 4月28日 原発比率、30年に20~22% 電源構成案を公表 経産省、再生エネは倍増 読売 4月28日 発電コスト、最安は原子力…経産省が試算示す どの報道も同じような内容であり、他の報道は省略する。なお、問題はそもそも論にある。すなわち、日本の電力供給は計画経済・統制経済ではないことである。それなのに何故という疑問である。 役所がすべき仕事は、統計を整備し発表し、国民と産業に必要な電力が供給されるようにルールを整備する案を考えることである。この点を含めて本問題は考える必要がある。その為
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く