16日間の模擬宇宙生活に挑戦するクルーたち。右端からコマンダーのベンザ・クリストさん、高階美鈴さん、笠田大介さん、村上祐資さん。旧南極観測船「しらせ」内の管制室で。 2月23日23時過ぎ、インドネシア人コマンダーと日本人クルー3人による「火星への旅」が始まった。彼らが乗り込んだのは旧南極観測船「しらせ」。クルーたちは管制室と交信しながら、限られた水や食料で16日間暮らす。これは旧南極観測船を「火星に向かう宇宙船」に見立てた、日本初の民間による模擬宇宙生活実験「SHIRASE EXP.」だ。 実験を主宰するのは特定非営利活動法人フィールドアシスタント。理事長は村上祐資さん。村上さんと言えば「火星に最も近い男」と呼ばれ、本コラムでもその豊富な火星模擬生活実験について何度も紹介してきた方だ。彼がなぜ日本で、しかも旧南極観測船を使って、宇宙模擬生活を行おうとするのか。実験開始前日に、宇宙船内を見せ