第296回:インターネット利用と著作権侵害に関するドイツのいくつかの判例(子供の著作権侵害における親の責任、無線LAN所有者の責任他) 前回も書いた通り、ドイツでは大量の著作権侵害警告が出されているので関連する判例も多い。ダウンロード違法化・犯罪化の先駆けであるドイツの話は日本でも起こり得ることとして注意しておいた方が良いにもかかわらず、判例に至ってはほとんど紹介されることがないので、ここでついでにいくつか参考になりそうな最近の判例について紹介しておきたいと思う。インターネットと著作権の問題は常に動きがある話であり、ここで取り上げた判例もごく一部に過ぎないということをあらかじめ断っておく。 (1)親の責任は子供の完全なインターネット監視を必要とするものではないとするドイツ最高裁の判決 去年の2012年11月15日にドイツ最高裁は、「Morpheus」事件判決(ドイツ最高裁のリリースも参照)