『ALWAYS 三丁目の夕日』の舞台は、連合軍の占領が1952年に終わって、まだ5年程度の1958年(昭和33年)で、様々な事件などもあった騒乱の時期だと思うのだが、映画の中からはそういった空気は感じない。過去からの繋がりがないという点で、あの映画はファンタジーなのだろう。 もちろん、これは原作がそうだからというのもあるのだが、もしかすると山崎貴監督の個性であるのかもしれない。山崎貴監督の過去作品である『ジュブナイル』『リターナー』はどちらも未来からきた人間たちの話だ。そこには過去はない。
───────────────────────────────────────── 1960年代の風景の中で現在的キャラクターが動く映画『初恋』に見られる滑稽さが、「時代変われば人変わる」程に「人が変わらない」という事実への無頓着さに由来するのを知る ───────────────────────────────────────── ■「所変われば品変わる」ではないが「時代変われば人変わる」。それは「時代変われば人変わる」という人の性質が変わらないからだ。「時代変われば人変わる」程に「人は変わらない」。江藤淳がそう考えたが故に戦後啓蒙に批判的だったことを、前回紹介した。 ■「時代変われば人変わる」程に「人は変わらない」、その変わらなさにも日本的特質がある。それが近代的本義の貫徹を不可能にし、本義を貫徹しようとする志を自意識の問題へと賤価する。なのにその日本的特質が、自分を自分たらしめる所属
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