昨年、日本弁護士連合会は人権擁護大会シンポジウムのテーマの一つに死刑制度の問題を取り上げ、死刑執行停止法の制定を求める決議をあげました。その席上で発表された「死刑と無期の量刑基準に関する調査研究報告」の内容をあらためて教えてもらう機会がありました。 ☆★☆ 検察が死刑を求刑する際に添付される「永山最高裁判決以後死刑の科刑を是認した最高裁判所の判例一覧表」というものがあります。これは、最高裁で死刑判決が出された事件を、被害者の人数や犯行の動機、被害感情、社会的影響、犯行後の情状などによってまとめたものです。この表だけを見た裁判官は、類似の事件で死刑判決がすでにたくさん出ているのだからこの事件も死刑が相当だろうという判断に傾くことでしょう。 ☆★☆ 日弁連の今回の調査は、検察が死刑を求刑しながらも無期懲役の判決が出された事例を対比的にまとめたものでした。これを見ると、似たような事件で、