私は、去年から京都弁護士会の「触法精神障害者」問題プロジェクトチームの一員として、意見書の作成などを通じて精神障害者と犯罪をめぐる問題を学び、「心神喪失者医療観察法案」反対運動にもかかわってきた。その中で、私の感じてきたことをまとめてみたい。 1 心神喪失により無罪になった者に対しては何らかの処遇が必要? 心神喪失であれば無罪であり、それを見越して不起訴処分とされることは、責任主義の当然の帰結である。無罪の者に対してそれ以上の制裁を加えることは、二重の危険の法理からしてもあり得ないことのはずである。たとえば、正当防衛で無罪とされた者に対して何らかの強制処遇が必要であるというだろうか。 それにもかかわらず、しばしば「被害者が浮かばれない」と被害者のために何らかの処遇が必要であるかのように言われることがある。しかし、無罪は無罪なのである。「被害者のための何らかの処遇」とは刑罰に代わる制裁とい
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