自宅のテレビで、ずっとJリーグを見ていた。2001年後期のことだ。優勝候補に挙げられながら前期6位に終わり、3年半務めた柏の監督を解任された。 「それほど期待が大きかった、そう思うしかない」と西野監督は振り返る。1999年にナビスコ杯を制し、J1は99、2000年と続けて年間3位。頂点が見えかけていた。「もう少し信じてくれれば……」。その無念を忘れさせてくれたチームがあった。テレビの中で、G大阪の若手が躍動していた。 当時21歳の遠藤が京都から移籍して1年目。同い年の二川に加え、一つ年上の橋本も後期は12試合に出場。時はまさに、現在の中盤の揺籃(ようらん)期。「潜在能力がたくさん眠っていそうだけど、なかなか勝てない。あのチームを引き上げたい」。翌年から指揮するとも知らず、見つめていた。西野ガンバのプロローグだった。 ただ、今季のG大阪は勝負強さに欠ける戦いが続いている。リーグ戦は14試合を