cakesは2022年8月31日に終了いたしました。 10年間の長きにわたり、ご愛読ありがとうございました。 2022年9月1日
2019年12月15日 「自信を持ってお届けできる最終回になりました」 「いだてん」のチーフ演出・井上 剛が、撮影エピソードや裏話とともに盛りだくさんの最終回を振り返ります。最終回にまつわる制作エピソードを時系列でお届けしますので、ぜひお楽しみください。 最初に台本を読んだときは「これだけの内容を60分に詰め込めるかな」と思うような宮藤官九郎さんの迫力を感じました。しかも制作陣全員の思いがあふれているので、台本に書かれていること以上に行間を拾っていかないといけないしと意気込みました(笑)。「初回からつながっている!と感じてもらえるためにどう見せるか」を意識しながら、撮影だけでなく編集や音楽も大車輪の活躍で、凝縮したドラマを何とか60分で描くことができたと思います。 最終回といえばいつもそうですが、終盤のスタッフの疲弊度や差し迫るスケジュールにも頭を悩ませながら(笑)、 それでも“ワンチーム
いよいよ最終局面に入った大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(NHK総合)。オリンピックに関わった日本人の姿を描いた本作は、明治・大正・昭和という近代日本を舞台にした歴史群像劇だ。劇中には実在した人々が登場し、一見荒唐無稽に見えながらも、ほぼ史実どおりに展開していくのだが、その背後では、気が遠くなるような膨大な量の取材が行われていた。 今回、リアルサウンド映画部では『いだてん』の「取材」を担当した渡辺直樹に、関係者遺族への許可取りも含めた取材現場の内幕について話を訊いた。渡辺が担った「取材」とは、宮藤官九郎の脚本作り、その前段階の企画制作のための膨大な資料集め、および史実関係の事実確認など。前人未到の挑戦となったオリンピック大河はいかにして作られたのか?(成馬零一) 誰を主人公にするかも決まっていなかった ―― 渡辺さんが『いだてん』でもチーフ演出を務める井上剛さんの作品
JRが東京周辺ほぼすべての電車の運行を停止した歴史的な土曜日の翌日、2019年の10月13日の夜8時、あなたは台風19号の後始末に追われていたかもしれない。ようやく動き始めた電車に乗って、日曜日の職場で前日の後始末をして月曜に備えていたかもしれない。避難勧告で家を出たまま、避難所ですごしていたかもしれない。 そしてもちろん、多くの視聴者と同じように、家で、あるいはスポーツバーで、視聴率39%を記録したラグビー日本代表のスコットランド戦に声援を送っていたかもしれない。 色々な状況があり、いろいろな価値観がある。僕が今から書くのは、あの日、日本を覆った台風被害とスポーツの熱狂の裏で『いだてん』宮藤官九郎が何を語っていたかということについての話だ。夜に放送された第39回『懐かしの満州』は、第二章の最終幕であるだけでなく、『いだてん』という大河ドラマの本質、宮藤官九郎本人が「最も描きたかった」と語
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