宮本恒靖監督解任の一報を聞き、正直驚いた。記者としては恥ずかしいが、もう少しタイミングは後、と考えていたからだ。昨季は2位と結果を残し、今季は新型コロナの集団感染で出遅れた中で、攻撃的なスタイルへの転換を図っていた。その進捗は遅れ、10試合3ゴールというG大阪史上最悪の得点力不足に陥った。クラブの決断は早かった。 クラブが会見で明かした監督交代の理由は「得点力不足に改善が見られなかった」ことだ。ではなぜ、改善は見られなかったのか。宮本監督は試合ごとにフォーメーションやメンバーを変え、最後まで最良な形を探していた。ただ攻撃面においては、今季掲げた「ボールを動かして主導権を握る」というコンセプトが、足かせになっていた。 昨季は堅守からシンプルな攻めで結果を出したが、今年は4―3―3の新フォーメーションに着手した。GKからのビルドアップ、相手の立ち位置を見ながらサイドバックが内側を取ってパスコー