長野パルセイロで過去3シーズン、J3のカテゴリーを戦ってきた明神智和が今季限りでの現役引退を発表した。その翌日となる12月3日、かつての僚友だった遠藤保仁に驚きは全くなかった。 「知っていましたよ」と話す遠藤にはこの秋、明神本人からLINEを通じて「今年で辞めようと思っている」と連絡があったという。 ボランチというサッカー用語を生み出したブラジルは、このポジションをしばしば、こう表現する。 カレガドール・デ・ピアノ(ピアノの運び手)。 ピアニストとなる攻撃のタレントのために、重いピアノを運ぶ労働者、つまるところ黒子である。 明神がピアノを運び、遠藤が奏でる。 10年間所属したガンバ大阪で、ピアノを運び続けてきた明神だったが、そのピアノの鍵盤を叩き、攻撃サッカーという魅惑のメロディを奏でてきたのが遠藤だった。 チーム内での役割はまるで対照的だが遠藤は言う。 「中盤から前の選手を気持ち良くプレ