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ブックマーク / econ101.jp (150)

  • サイモン・レンルイス「緊縮の教訓はこうして学ばれずじまいになった」(2019年7月23日)

    [Simon Wren-Lewis, “How the lessons from austerity have not been learned,” Mainly Macro, July 23, 2019] イギリスとユーロ圏はどちらも来たるべき景気後退に対して脆弱だが,どちらの政治家たちも中央銀行も,「あちらが景気後退に対応すべきだ」と考えている. イギリス・アメリカ・ユーロ圏で景気後退が生じる見込みについてここで語りたくはない.予想は(必然的に)無益な試みだ.あまりにもいろんな変数が絡んでいるので,正確な予測は立てようがない.リスク要因を洗い出しておくのは有用だし,グレイス・ブレイクリーがここで見事な仕事をやっている.それより,次にもしも景気後退が起こったときに,その影響に対してイギリスやユーロ圏がどちらも脆弱なことを私は懸念している.その脆弱性をはっきり示した実例といえば,グローバル

    サイモン・レンルイス「緊縮の教訓はこうして学ばれずじまいになった」(2019年7月23日)
  • サイモン・レン=ルイス「右派ポピュリズムが成功する理由を理解する」(2019年7月6日)

    [Simon Wren-Lewis, “Understanding why right-wing populism succeeds,” Mainly Macro, July 6, 2019] このところ,『ロンドン・レビュー・オブ・ブックス』に掲載されたヤン=ヴェルナー・ミュラーの「ポピュリズムと人々」を読み返している(2019年5月).ごく簡潔ながらも,右翼ポピュリズムの台頭といういまの時代にもっとも懸念される政治の動きを慧眼で読み解いた文章だと私は思う.私が取り上げるのはトランプとファラージだが,ハンガリーのオルバーンも,トルコのエルドアンも,ポーランドのカチンスキも,インドのモディも,ブラジルのボルソナロも,共通点がある.それは: ポピュリストの統治手法だ.その基礎をなしているのは(…)ナショナリズム(人種差別をしばしばにじませる)であり,国家をハイジャックして党派に忠実な人々の私

    サイモン・レン=ルイス「右派ポピュリズムが成功する理由を理解する」(2019年7月6日)
  • タイラー・コーエン「世界各国の正直さ」

    Tyler Cowen “Civic honesty around the globe” Marginal Revolution, June 22, 2019 旅行に出てて話題にちょっと乗り遅れてしまったけれど,とにかくもこの件を蒸し返してみよう。 市民の正直さは社会資と経済発展の必須要素であるが,しばしば物質的な利己心と対立する。私たちは世界40か国355都市における実地実験を用い,正直さと利己心とのトレードオフを検討した。私たちは異なる金額が入った17000個以上の財布を公的機関や民間機関に届け出,財布を受け取った側が返却のために持ち主に連絡を取るかを計測した。ほぼすべての国において,入っている金額が大きいほど市民が財布を返却する可能性が高かった。この結果は非専門家及び専門家の双方が予想しえなかったものだ。追加的なデータは,私たちの主要な発見が利他的な配慮及び自分自身が泥棒であると見

    タイラー・コーエン「世界各国の正直さ」
    nagaichi
    nagaichi 2019/06/26
    某国で調査すると、落ちている財布は盗まれもしないが、拾って届けられもせず、その場で朽ちていくのでした…とかいうオチはないかな。
  • ノア・スミス「現代金融理論 (MMT) を詳しく検討してみると」(2019年3月31日; 2021年11月20日更新)

    [Noah Smsith, “Examining an MMT model in detail,” Noahpinion, March 31, 2019; re-posted on November 20, 2021] 〔2021年11月20日に再投稿された記事の加筆部分を訳しました.〕 なじみがない人のために言うと,MMT 〔を主張している人たち〕とは,「政府はもっと借り入れてもっと支出しろ」と言ってまわってる結束の固い集団だ.MMT は「現代貨幣理論」(modern monetary theory) の略で,この名称をぱっと見たら,「ああ,経済の仕組みについての理論があるんだな」とふつうは思う.これまでのところ,経済学者たちが MMT の文献をじっくり調べてみても,ネットミームにとどまらないまとまった理論と言えるものはないという結論になってる――そこにあるのは,特定の政策を支持するあれ

    ノア・スミス「現代金融理論 (MMT) を詳しく検討してみると」(2019年3月31日; 2021年11月20日更新)
  • ポール・クルーグマン「失墜した経済思想」(2017年9月22日)

    Paul Krugman, “Discredited Ideas” (Video VOX, 22 September 2017) 金融危機とその後の状況は私たちが思ったように理解不可能なものだったでしょうか。この動画では、ポール・クルーグマンは私たちが学ぶことのできる四つの見解をあげています。この動画は2017年9月22日に開催された「金融危機から10年」と題されたカンファレンスで録画されたものです。 [1]訳注:訳はクルーグマンが実際に話しているものをもとにしており、動画の英語字幕とは必ずしも一致しません。 金融危機とその後の状況は理解不可能なものではまったくなかったと、実際に私はしばらく説いてきました。もし基的な最新のケインズ主義経済学の見解を持ったひとがこの金融危機に直面したとしたら、この金融危機が起こったことは大変驚いたでしょうが、それはほとんどのところ制度を見張るのに失敗した

    ポール・クルーグマン「失墜した経済思想」(2017年9月22日)
  • サイモン・レンルイス「左派はこうして労働者階級の政党であることをやめた」(2018年10月6日) — 経済学101

    [Simon Wren-Lewis, “How the left stopped being a party of the working class,” Mainly Macro, October 6, 2018] トマ・ピケティが最近出した論文について,そのうち書こう書こうと思っていた.ピケティ論文は,第二次世界大戦後のフランス・イギリス・アメリカで有権者のどんな特徴が左派または右派への投票行動に影響したのかを検討している.(サイモン・クーパーがうまいタイトルの記事〔「2つのエリート層の対立:持てる者とヨット持てる者の闘い」〕でこの研究をうまくまとめている.) 下のグラフを見てもらうと,第二次世界大戦後に教育水準の高い有権者たちが右派に投票しがちになっていたのがいまや左派に投票しがちになっている様子がわかる(所得・年齢その他で統制したあとでもこの傾向は変わらない――ボックス内を参照)

    サイモン・レンルイス「左派はこうして労働者階級の政党であることをやめた」(2018年10月6日) — 経済学101
  • アレックス・タバロック「どうして性差別と人種差別は減っていかないんだろう――誰もが性別差別も人種差別もあまりやらなくなってるのに」

    [Alex Tabarrok, “Why Sexism and Racism Never Diminish–Even When Everyone Becomes Less Sexist and Racist,” Marginal Revolution, June 30, 2018] 概念は参照クラスしだいでちがってくるという考えはべつに新しくもない.背の低いバスケ選手は背が高いし,貧しいアメリカ人はお金もちだ.とはいえ,青い点はとにかく青い点だろ,と思ったことがある人はいるだろう.青色は波長で定義できる.だから,青いかどうかの線引きにはあいまいなところがあるにしても,「背が低い」「お金もちだ」といった相対的概念とちがって青い点の背後にはなんらかの客観的な現実がある,というわけだ.ところが,Levari, Gilbert, Wilson, Sievers, Amodio & Wheatley

    アレックス・タバロック「どうして性差別と人種差別は減っていかないんだろう――誰もが性別差別も人種差別もあまりやらなくなってるのに」
    nagaichi
    nagaichi 2018/07/03
    ところで「そんじゃクジ引きしようか.ハズレを引いた奴はムカデ人間監獄実験を提案すること」のところが、なにやらグレッグ・イーガンっぽく感じたので、もう少し山岸文体に寄せてたのむ(謎の要求)。
  • サイモン・レン=ルイス「TV局は首相のウソをどう扱うべきか」(2018年6月19日)

    [Simon Wren-Lewis, “How Broadcasters should handle the Prime Minister lying,” Mainly Macro, June 19, 2018] このポストで取り上げる話題は,「EU離脱の清算金」と TV局がこれを扱うべき方法だ.ただ,その前に極端な例からはじめるとしよう:ドナルド・トランプだ.トランプが考察の第一歩にふさわしい理由は,メディアによるトランプと敵対手の扱い方が彼の大統領選出に貢献した部分が大きいからだ.トランプは世間を騒がせる発言をしては知名度を高めていった.その知名度のおかげで世論調査でトランプの支持率は上昇し,世論調査で支持が強まっているおかげでメディアで好意的に扱われるようになりはじめた.(この仕組みについては,こちらでもっと詳しく説明した.) トランプが共和党の大統領候補になると,釣り合いをとらずに

    サイモン・レン=ルイス「TV局は首相のウソをどう扱うべきか」(2018年6月19日)
    nagaichi
    nagaichi 2018/06/29
    「『誰それさんはこう発言しました,一方誰それ氏はこう発言しました』式の〔対立意見を均等に伝える〕報道ではとうてい民主制を守れない」報道によるファクトチェック大事。
  • ジョセフ・ヒース「少年とセックスと本とビデオゲーム」(2017年8月2日)

    Boys, sex, books, video games Posted by Joseph Heath on August 23, 2017 | gender 教育者のほとんどが気づいていることがある。我々の社会において男の子がを読まなくなっていることだ。「文学の危機」とまで呼んでしまうのは少し大げさかもしれない。それでも、男の子がを読まなくなっている現象は現在進行であり、問題でもある。私には12歳の男の子と13歳の女の子がいるので、親としてここ数年にかけて、この現象を注視してきた。おかげで文学の中でもYA(ヤングアダルト:若年層向け)分野で何か起こっているのかを、私の同世代の誰よりも精通することにもなってしまった。よって以下、この分野におけるいくつかの観察事例だ。 女性は小説一般において読者層の多数派を占めているわけだが、YA文学分野では、(成功した)作家の多数派も女性になっている

    ジョセフ・ヒース「少年とセックスと本とビデオゲーム」(2017年8月2日)
    nagaichi
    nagaichi 2018/06/13
    そら近代の娯楽小説だもの。
  • ジョセフ・ヒース「社会構築主義:基礎編」(2018年5月26日) — 経済学101

    Social constructivism: the basics Posted by Joseph Heath on May 26, 2018 | philosophy 筆者の同僚のジョルダン・ピーターソンがこれほどの有名人になった理由の一つは、彼の批評の多くがあまりにも難解だからだ彼の批判者の多くがあまりにも混乱しているからだ。ピーターソンの論争は、(このようなたとえ話が許されるなら)ナイフでの白兵戦に銃を持ち込む奴のように見えることが一度ならずあった。このことは、ピーターソンの社会構築主義に関するさまざまな議論で特に顕著であり、その中には「樽の中の魚を撃つ」(訳注:アホらしいほど簡単な、という意味の慣用的比喩)ような質の議論もあった。その主な理由は、何かが「社会的に構築された」と言うことが何を意味するのか、そして、それが政治的に何を意味するのかについて、学者や運動家を含む多くの人たち

    ジョセフ・ヒース「社会構築主義:基礎編」(2018年5月26日) — 経済学101
  • 脱税と不平等

    Annette Alstadsæter、Norwegian University of Life Sciences経済学ビジネス学部教授 Niels Johannesen、コペンハーゲン大学経済学教授 Gabriel Zucman、カリフォルニア大学バークレー校助教授 2018年5月9日 VoxEU 概要:税金の記録は社会の中の富と所得の集中を測る為によく利用される。しかしながら、もし金持ちが貧乏人よりも税金逃れをするならば、税の記録は不平等を過小評価することになる。このコラムはスカンジナビアを例として、脱税が富とともにどう変化するかを明らかにする:スカンジナビアのトップ0.01%の金持ち家計は資産や投資所得を国外に隠すことで払うべき税金の約25%を脱税している。そういった非常な金持ちがこういった事を出来るのは、彼らが資産秘匿サービスへのアクセスをもっているという単純な理由による。トップ層

    脱税と不平等
  • スコット・サムナー「大人向けSFとしての日本」

    [Scott Sumner, “Japan as sci-fi for grown-ups,” The Money Illusion, May 2, 2018] SFは,特に若者に人気だ.年をとるにつれ,宇宙旅行の物語への私の興味は薄れ,したがってSFを読むことは減って他の文学を読むことが増えた.でも,異世界の物語への興味が薄れたことはない.そして日が面白いのはその点だ.東京の各部がそれほど未来的に見えるというわけじゃない.江戸時代の日にだってある種 異世界の暮らしがあったし,それが西洋での暮らしより明らかに劣ってるってわけじゃなかった.実際,1700年まで戻ってみれば東京は世界最大の都市で,120万の人々が実に興味深い文化を育んでいた. 日を訪れた経験は,今後の私の人生で二度と無いくらい,異世界訪問の経験に近いものだろう. PS. 最近の投稿で私はアメリカの「文化の盗用」なる狂った

    スコット・サムナー「大人向けSFとしての日本」
    nagaichi
    nagaichi 2018/05/05
    異世界日本は話のダシで、本論は「文化の盗用」論に対する当てこすり。日本も中国も区別できないオリエンタリストには、旗袍はもともと旗人の文化であって、漢人の文化ではないというのも微妙すぎる。
  • フランシス・ウーリー「ミルクはびっくりするほど安くなった」(2017年4月21日)

    この料理は家政学の全盛期に作られている。科学原理を家庭生活に応用しようという時代だった。レシピには、栄養素情報、より洗練されたエチケットのガイド、今日でいうところの『金融リテラシー』が入っていた。 Canadian Cook Book 20世紀の主婦に推奨された費予算は以下のとおり。 品の購入 今日において、収入の中で最大の支出項目は費である。支出の健全さという観点において、適切な分配がなされたときのみ、安全で満足のいく見返りが期待できる。以下の分配例はガイドとなるであろう。 カナディアンクックブックの予算で注目すべきことは、『収入の中で一番出費が多い項目は費』という備考である。家賃でもなく、子育て費用でもなく、光熱費でもない。費だ。相対的に言って、昔の費は現在に比べてずっと高かった。 第2に、費の20-25%はミルク、クリーム、バターに使われていたということだ!カナディア

    フランシス・ウーリー「ミルクはびっくりするほど安くなった」(2017年4月21日)
    nagaichi
    nagaichi 2018/04/14
    そら100年前と比べたらエンゲル係数は下がってるでしょうね。化学肥料の普及や品種改良による農業生産の増加やモータリゼーションや社会資本整備による流通コストの低下は世紀単位では目覚ましいことでしょう。
  • サイモン・レン=ルイス「世代間の再分配」

    [Simon Wren-Lewis, “Redistribution between generations,” Mainly Macro, October 24, 2014] 経済学でありがちな誤解に関するシリーズをはじめなくてはいけないようだ.(ゾンビ映画は見ないものでね.) そういう誤解のひとつに,中央銀行のバランスシートは通常は重要だというものがあるけれど,前回のポストのこのコメントがいい仕事をしてくれている.さて,かなり頻繁にでてくる誤解にこういうものがある――政府債務には世代間の再分配は関わっていない,という誤解だ.世代は重複するということがわかれば誤解ははっきりする. ごく単純な例をとりあげよう.ある経済の各期間に産出される財の量がつねに100だと仮定しよう.さて,各期間がそれぞれ1世代の生涯で,世代どうしは重複しないとすると,当然ながら各世代は100を得て,世代間での再分配

    サイモン・レン=ルイス「世代間の再分配」
  • 創造性と自由

    (訳者:はてブでのnagaichiさんからの指摘を受けて、Florenceを「フローレンス」から「フィレンツェ」に変更しました。ありがとうございます。) 2018年1月6日、 VoxEU原文 Michel Serafinelli、トロント大学経済学准教授 Guido Tabellini、ボッコーニ大学経済学教授 概要:イノベーションはしばしば特定の地域、いわゆる「創造性クラスター」に集中している。このコラムでは有名人の出生についての新しいデータを使って、11世紀と19世紀の間のヨーロッパの都市における創造性のダイナミクスについて探求する。その結果は、創造性が経済的繁栄に先立つ事、そして個人的および経済的自由を守る都市の制度が多くの領域でのラディカルなイノベーションにつながっていく事を示している。 創造性は様々な分野において時間的、空間的にしばしば非常に高く集中している。15世紀、フィレンツ

    創造性と自由
    nagaichi
    nagaichi 2018/02/04
    フィレンツェをフローレンスと英語読みするの、凄い違和感ある。
  • アレックス・タバロック 「偽りの安全に伴う高い代償」(2012年11月20日)

    ●Alex Tabarrok, “The High Price of False Security”(Marginal Revolution, November 20, 2012) チャールズ・ケニー(Charles Kenny)がブルームバーグに大変優れた記事を寄稿している。テーマは、「9・11」以降の米土のセキュリティ問題。 アメリカ国内では、テロの脅威に比べて不釣合いなほど、テロへの関心(注目度)が高い。イスラム過激派によるテロに関しては、特にそうだ。アメリカ国内では、「9・11」から2010年終盤までの間に、合計で15万件の殺人事件が発生しているが、そのうちでイスラム過激派が関わっている事件の数は、3ダース(36件)に満たない。ジョン・ミューラー(オハイオ州立大学)とマーク・スチュアート(ニューカッスル大学)の二人の共同研究によると、アメリカで暮らす市民がテロ事件に巻き込まれて命

    アレックス・タバロック 「偽りの安全に伴う高い代償」(2012年11月20日)
  • スコット・サムナー「5年後のアベノミクス」

    [Scott Sumner, “Abenomics after 5 years,” TheMoneyIllusion, December 29, 2017] 安倍はインフレ率を高めると約束して2012年12月の選挙に大勝した。その後、2014年と2017年でも大差をつけて選挙に勝利した。次々に首相が登場しては退場していく日で、こういう政治的勝利は異例だ。それに、貯蓄に頼る高齢者だらけの国で、インフレをこれほど大きく問題にした点でも異例だ。(アームチェア公共選択理論はこれくらいにしておこう。) さて、あれから5年経って、高い人気を博している以外に、安倍はどんな様子だろうか? アベノミクス最重要の影響は名目GDPだった。2012年選挙までは下降傾向をつづけていた: 実態は、この Fred のグラフが示しているのよりも上回っている。名目 GDP は 544.9兆円に上方修正されたうえに、第3四

    スコット・サムナー「5年後のアベノミクス」
  • サミュエル・バッジ, マルティン・フィスバン, ムサイ・ゲブルセラシエ 「合衆国における個人主義と再分配への反対: フロンティアの文化的遺産」(2017年12月23日)

    Samuel Bazzi, Martin Fiszbein, Mesay Gebresilasse, “Individualism and opposition to redistribution in the US: The cultural legacy of the frontier” (VOX, 23 December 2017) 再分配、そしてヘルスケア・銃規制・最低賃金・汚染管理といった領域における政府の介入。こうしたものに反対する人は、アメリカ人のほうがヨーロッパ人より多い。稿では、アメリカに古くからある 「武骨な個人主義 (rugged individualism)」 の文化がフロンティアの歴史において根付いたものである旨を主張する。共和党への支持を個人レベルで考慮してもなお、フロンティアの歴史的経験が大きかった合衆国地域ほど、今日においても依然として再分配や政府による規

    サミュエル・バッジ, マルティン・フィスバン, ムサイ・ゲブルセラシエ 「合衆国における個人主義と再分配への反対: フロンティアの文化的遺産」(2017年12月23日)
    nagaichi
    nagaichi 2017/12/29
    経済格差が拡大する中で再分配を忌避するのは、99%にとっての利益相反だと思うがね。
  • サイモン・レン=ルイス「金権政治を民主制扱いしていたら民主制は死ぬ」

    [Simon Wren-Lewis, “If we treat plutocracy as democracy, democracy dies,” Mainly Macro, December 2, 2017] 「ガマの油売り」 イギリスのEU離脱とトランプには類似点がたくさんある.どちらも権威主義的な運動で,ただひとりの人物についてであれ,ただひとつの国民投票(みんなの目をくらませてしまった投票)についてであれ,権威者が嘘をついている.この権威者は,運動のアイデンティティを体現している.どちらの運動も非合理な運動だ.つまり,運動の願望と衝突してしまうときには専門知識を脇に置いてしまう.その結果として,運動の支持基盤はあまり教育水準の高くない人々になっているし,大学は彼らにとって敵と目されてしまっている.どちらのグループもナショナリズム色が強い:どちらもアメリカやイギリスを再び偉大にしたが

    サイモン・レン=ルイス「金権政治を民主制扱いしていたら民主制は死ぬ」
  • フェイクニュースとファクトチェック: 事実を正せば意見も正せるか (2017年11月2日)

    From VoxEU, “Fake news and fact checking: Getting the facts straight may not be enough to change minds” Oscar Barrera, Sergei Guriev, Emeric Henry, Ekaterina Zhuravskaya (02 November 2017) 「フェイクニュース」は今や欧米の政治を語る上で欠かせない要素となった.このコラムでは,2017年の仏大統領選挙期間中に実施された実験を題材に「代替的事実(オルタナティブファクト)」が高い説得力を持つことを示す.ミスリーディングな数値データに基づく物語に触れた有権者たちはポピュリストの主張する方向に意見を変え,ファクトチェッキングはこの効果を打ち消す役に立たない.それどころか,デリケートな論点(たとえば欧州の難民危機)に

    フェイクニュースとファクトチェック: 事実を正せば意見も正せるか (2017年11月2日)