アイルランドで同性婚が国民投票によって認められたり、アメリカの連邦最高裁が同性婚を認めない州法を憲法違反と判断するなど、世界各国で多様な「性」のあり方を認める動きが広がっている。その一方で、いまも差別や暴力に苦しむ性的少数者は後を絶たない。 「自分らしい性を生きる〜LGBTIの『私』が命をかける理由〜」(主催:アムネスティ・インターナショナル日本)と題された講演会が10月17日、東京・渋谷の青山学院大学でおこなわれた。「LGBTI」は、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス(性染色体や生殖器の形態などが典型的な性別と断定しにくい人)の総称だ。 講演会には、南アフリカで、LGBTIの人々への暴力や差別をなくすために活動しているファドツァイ・ミュパルツァさんが登壇した。ファドツァイさんは、自身を「クィア(Queer)」(多数派とみなされる性の規範から外れる人)