多くの日本人と同じように、トキワ・トモコさんは富士山に深い愛着を抱いている。美しい円錐火山は、最も名高い日本の象徴の1つだ。 しかし、保育園で働くトキワさんは、富士山のふもとで50年間暮らしてきたが、噴火の恐怖につきまとわれてきたと言う。「富士山の山麓で生まれ、育ちました。富士山は大好きですけど、ちょっと怖い存在でもあります」 心配しているのは彼女だけではない。昨年、東北地方沿岸部に大災害をもたらした地震と津波は、世界で最も地震活動の活発な列島に数えられる日本で自然災害が起きる可能性を嫌というほど思い知らせた。 以前から地震の発生が火山活動の活発化を引き起こしてきたため、東京の西100キロにある富士山の近隣住民の中には、2011年3月の大震災が噴火の引き金となるかもしれないと考えた人もいた。 3.11の大震災で不安が増大 大震災の4日後、この地域がマグニチュード6.4の地震に襲われると、そ