上司のパワハラ発言で精神的苦痛を受け、慰謝料を請求したいという場合に、暴言を無断で録音したデータは証拠として有効なのでしょうか? 弁護士ドットコムの法律相談コーナーにこのような相談を寄せたのは、係長から言葉の暴力を受けているという男性。トイレに行って戻るたびに必ず「てめぇ何さぼっとるだ殺すぞ」と言われたり、法事を理由に休日出勤を断ろうとすると「ただ死んだだけだろ」などと言われるそうです。男性は「毎日この言葉遣いで精神的におかしくなってます」と憔悴した様子です。 仮に、男性が、ポケットにレコーダーを忍ばせるなどしてこっそり上司の言動を録音した場合、そのデータは慰謝料請求をする際の証拠として有効なのでしょうか。寺岡幸吉弁護士に聞きました。 ●無断録音は証拠として有効? まず、証拠が有効かどうかを考える際には、「証拠能力」という言葉と、「証拠力」あるいは「証明力」という言葉を区別することが重要で