1リンギで買い取ったエア・アジア 航空会社を運営するのは子供のころからの夢だった、というトニ-・フェルナンデス氏はクアラルンプール(KL)郊外にある、自宅の応接室で寛ぎながら語り始めた。今から約10年前、ワーナー・ミュージックの東南アジア地域バイス・プレジデントを辞して航空業界に進出する、と宣言した時、多くの友人は無謀だ、と反対した。エアラインのビジネスは小規模で始めるということが不可能だ。膨大なコストがかかるし、しかもアジア各国にはすでに数多くの航空会社がひしめいている。「マレーシアの人々はビジネスの話になるととても消極的だね。チャレンジ精神に欠けていると思う」と言ってマレーシアの報道陣を見回してから「いや、自分が変わっているのかもしれないけど」と、Air Asiaの文字がプリントされた赤いキャップをかぶりなおした。 ワーナー・ミュージックの仕事は順調で、すでに良いポジションを手に入れ、