佐藤 真輔(さとう しんすけ):文部科学省研究振興局ライフサイエンス研究振興分析官 1985年科学技術庁入庁後、広範な科学技術分野の政策の企画立案等に携わる。現在はライフサイエンス分野の海外動向等の調査・分析業務を実施。 1.はじめに BGI(華大基因)は中国の一民間機関であるが、多数のシーケンサー(塩基配列解析装置)を用いて大量のゲノム解読を行い、世界最大のゲノム情報生産拠点となっている。世界各国との共同研究も進め、そ の成果を次々と有名誌に掲載している。一方、かかるBGIの活動については、単に大型のシーケンサーを並べて機械的に読み取るだけの工場ではないか、という意見もある。 このため、BGIの実態を知り、今後の展開を予測するとともに、我が国の対応について検討するため、2012年2月、BGI(深圳本部、香港支部)を訪問し、関係者から意見聴取するとともに、施 設の視察調査を行った。以下、そ