1977年、巨人の王貞治(現ソフトバンク球団会長)が放った世界新記録(当時)の756号本塁打を被弾したのがこの人だった。誰もが勝負を避けていた場面であえて勝負を挑んだ度胸は、結果的に球史に残る記録につながった。引退後は出身地・北茨城の廃棄物処理会社に勤務していたが、2年前に定年。現在は被災地の復興を願いながら、静かに毎日を送っている。(聞き手・米沢秀明) ■体を患って 60歳で定年となった直後に体調を崩し、半月ほど入院しました。肝機能障害ということで、立っているのも大変な感じでした。何しろ病院が嫌いなものですから我慢していたのですが、近所に住む兄に見つかり、入院となってしまいました。 地元の廃棄物処理会社には平成7年からお世話になり、定年まで小名浜(福島県)の工場にいました。現場はほこりっぽいし塩酸、硫酸なども扱っている場所ですから、体にはよくないでしょう。酒も好きで毎日飲んでいました。