JR川崎駅東口のシンボルとして、59年間にわたって市民に親しまれた百貨店「さいか屋」の川崎店が31日、閉店した。駅周辺に次々と競合が増え、老舗は場所を移して営業することになった。 この日、閉店時刻の午後7時半になっても、名残を惜しんで、店員にお礼を言ったり、握手をしたりする客の姿があった。鈴木士文店長ら約10人が正面玄関に立ち、シャッターが下りるまで、集まった数百人のファンにお辞儀を続けた。 閉店セールに訪れた川崎市中原区の会社員女性(44)は「中学校の制服を注文したのもさいか屋。たびたび開かれる全国の物産展は楽しみにしていましたし、レストランもよく利用しました。閉店は本当に残念です」と話していた。 さいか屋は1872(明治5)年に横須賀市で創業した呉服店が母体。川崎店は1956年、地上3階、地下1階、売り場面積約4千平方メートルで開業した。増改築を重ね、73年に現在の姿(地上8階、地下3