奇抜なキャンペーンで世間をしばしば賑わすドミノ・ピザ。2010年のトップ就任以降、CEOのパトリック・ドイルは変革をどう推進してきたのか。 企業とリーダーは、たとえごく平凡な事業領域にあっても、非凡なことを成し遂げられる――。これは、私が過去1年半を費やして調査と執筆をしてきたテーマである。 シリコンバレーのプログラマーや、バイオ分野で遺伝子組み換えに従事する人でなくても、刺激的なイノベーションを起こして巨大な価値を創出することは可能だ。むしろ、リテール銀行、工業用品販売、あるいはオフィス清掃といった業界においても、事業の意味を根本から見直すことはできる。 かく言う私も、最も非凡なイノベーションの一部をピザ業界で見ることになるとは、思いも寄らなかった。 2016年11月のある日、私はデトロイトにいた。ミシガン州の大手企業団体「ビジネスリーダーズ・フォー・ミシガン」が主催する、CEOサミット