昨年9月初旬、名古屋国際センター(名古屋市中村区)の研修室に日本人と中国人計約10人が集まった。3人1組で取り組んだのは、実際の介護現場を想定した通訳の訓練だ。 「徘徊(はいかい)はありますか」。日本人の調査員役が、中国人の息子役に父親の様子を質問すると、通訳担当の日本人女性が中国語に訳す。 「没有(メイヨウ)」。息子役が答えると、通訳担当は「ありません」と日本語に訳して調査員役に伝えた。こうした訓練を約2カ月重ね、介護の現場で通訳に携わる。 介護通訳の養成に乗り出したのは、在日中国人を支援するNPO法人東海外国人生活サポートセンター(同市中川区)。きっかけは、代表の王栄(ワンロン)さん(52)の体験だった。中国残留日本人孤児だった父親(71)が帰国後、50代でパーキンソン病を発症。中国人の母(62)は介護サービスの利用手続き書類が読めず、王さんが通訳をして支えた。 3カ月を超える在留資格
今年は3人に死刑が執行され、7人の死刑判決が確定した。法務省によると、26日時点で収容中の確定死刑囚は128人。厳罰化の風潮の中、10年前に比べると34人多く、確定から40年を超す人もいる。高齢で病気になる人もいるため、こうした死刑囚にどう対応するかが課題となっている。 3月に岩城光英前法相が2人、11月に金田勝年法相が1人に執行した。執行3人は3年連続だった。 刑事訴訟法は、判決確定から6カ月以内に死刑を執行するよう定める。ただ、「共犯者の判決が確定していない」「再審請求中」の場合は執行を避ける傾向にある。共犯者の公判で死刑囚の供述が必要になる可能性があり、再審請求が認められることもあるためだ。 1966年に静岡県で起きた一家殺害事件で80年に死刑判決が確定した袴田巌さん(80)は第2次再審請求で14年に再審開始が認められ、釈放された(検察が即時抗告中)。収容中の128人のうち、94人が
東南アジア各国から外国人技能実習生を受け入れている「国際事業研究共同組合」(本部・高松市、白井知之・代表理事)という組織があるのをご存じだろうか。 同組合は、これまで受け入れてきた実習生を国別に分け、「介護技能実習生のポテンシャル」と題して「真面目で純粋で高徳な人材が集まるか」「介護への適正・性格」などを点数とともに評価した一覧表をHP上に掲載していた。 この表には東南アジアの実習生だけではなく出身国そのものを見下した、「差別的」ともとれる表現が含まれていたため、すぐさま海外を含む各方面からの厳しい批判にさらされ、組合は一覧表を削除した。 法務省や厚生労働省は現在、こうした外国人実習生を受け入れ斡旋する組織を、現在の野放し状態から統制下に組み込む組織の立ち上げを進めており、今後、問題のある組織の淘汰が進むものとみられている。 総合評価最低のタイで批判の狼煙 「国際事業研究共同組合」はHPで
あさかわ・すみかず/1948年2月東京都中野区生まれ。東京都立西高校から慶應義塾大学経済学部に。1971年日本経済新聞社に入社。小売り・流通業、ファッション、家電、サービス産業などを担当。87年に月刊誌『日経トレンディ』を創刊、初代編集長を5年間勤める。93年流通経済部長、95年マルチメディア局編成部長などを経て、98年から編集委員。高齢者ケア、少子化、NPO活度などを担当。2011年2月に定年退社。同年6月に公益社団法人長寿社会文化協会常務理事に就任。66歳。 医療・介護 大転換 2017年5月に「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法」が成立し、18年4月からは介護保険と医療保険のサービス内容が改定された。少子高齢化が急速に進む中で、日本の社会保障はどう大きく変革するのか。なかなかその全貌が見えてこない、医療・介護大転換の内容を丁寧に解説していく。 バックナン
11月中旬、横須賀市内の寺を訪れると、永代供養墓の棚に、二つの骨つぼが白いひもで結ばれて並んでいた。 「私が死んだら、夫の遺骨の横に置いてほしい。でも、だれも見てくれる人がいないし、ちゃんと入れてくれるのでしょうか」 市内の女性(81)からそんな相談があったのは今年3月のことだった。1月に夫を亡くし、独り身となった。頼れる身内はおらず、市に相談で訪れた。その2カ月後、女性も夫の後を追うように亡くなった。 6月。市の立ち会いの下、女性が生前に葬儀社と交わした契約に基づき、女性の遺骨は無事、夫の骨つぼとひもで結ばれた。 昨年7月の事業開始以来、120件に上る相談があった。うち9人が成約し、2人が亡くなった。 横須賀市の人口約41万人のうち、65歳以上は約12万人。このうち独り暮らしの人は増加傾向で、2015年には1万人を超えた。 一方、引き取り手のない無縁遺骨も増加傾向。03年度は16人だった
認知症や知的障害などのため判断能力にハンディのある人の財産や権利を守るのが成年後見制度である。この制度の利用を促進する法律が通常国会で成立し、内閣府の委員会で具体的な方策が議論されている。 認知症の人が増加し財産侵害などの被害は多発している。制度の重要性を国民が理解し、後見人の担い手を増やすことは必要だ。不正防止のため家庭裁判所を補完する機能の強化、親族や市民後見人を支援する仕組みの導入など、委員会では大事な改善策が検討されている。 しかし、現行制度が抱える根本的問題については議論が足りない。後見人には認知症や知的障害のある被後見人の意思を尊重する義務が法律で定められているが、判断能力にハンディがある人の意思をどうやって尊重するかが現行制度には何も定められていないのだ。 たとえ後見人が認知症や知的障害の特性を理解しておらず、本人の意思に反する判断をしたとしても、誰もチェックできていない。財
買い物を楽しんでもらう工夫とは イギリスの小売チェーンJ Sainsbury plc社は同社が展開するスーパーマーケットチェーンSainsbury’sで、高齢者や障がい者、認知症の人を対象にした「ゆっくり買い物を楽しんでもらう」スローショッピングというコンセプトを、イギリス国内のスーパーとして初めて試験導入した、と発表した。 現在、イギリス中部の都市ニューカッスル・アポン・タインにあるゴスフォース店で行われている。 スローショッピングは毎週火曜日の午後1時から3時まで行われる。希望者に対し、店内を案内するスタッフが入り口から付き添う。また各通路の両端にはイスが置かれる。そして、2カ所にある問い合わせ所ではフルーツやビスケットの試食ができる。 このアイデアは、Slow Shoppingという団体を運営し、「スローショッピング」のコンセプトを広げる活動を行っているキャサリーン・ベーノさんが同店
全国の身寄りのない高齢者から身元保証をするなどとして、およそ9億円を預かって破綻した、かつての公益財団法人「日本ライフ協会」の債権者集会が大阪で開かれ、出席者からは、協会の幹部や公益法人に認定した国に対する憤りの声が出ました。 日本ライフ協会は、身寄りのない高齢者の入院時の身元保証や、葬儀や死後の事務手続きの代行をするとして全国の2600人余りからおよそ9億円を預かっていました。しかし、ことし1月、2億7000万円余りを職員の人件費などに流用していたことが国の検査で明らかになり、公益財団法人の認定が取り消され、その後、破産手続きが進められています。 債権者集会は非公開で行われ、出席者によりますと、破産管財人の弁護士が、協会には負債が11億円ほどあり、資産が足りないため高齢者には預け金の全額は戻らないと説明したということです。出席者からは「足りない分を協会の幹部に支払わせることはできないのか
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