同業の会社がいくつか参加しているパーティに出る。酔っぱらいに絡まれたので適当に笑顔で交わしてその場を去る。彼女はそういう人間に慣れているけれど、愉快ではない。しばらく社交を遂行していると、また同じ人物につかまる。少し離れたところにいる仲の良い先輩が気を利かせて彼女の名を呼ぶ。彼女ははーいと返答しすみませんねとにっこり笑って背をむけかけた。上腕をつかまれた。 無表情で振り返るとその男はわあ怖いといかにも冗談らしい声を出して彼女の腕を離さない。離してくださいと彼女は言う。男はへらへら笑って怖あい怖あいと甘えた声を出す。あのさあ、さっき、そこの若い人頼むわって言われて嬉しそうにいそいそ手伝いに行ってたじゃなぁい、そういうの痛々しいからやめたほうがいいって、これ僕からの忠告ね、若い若いって言われてそんなね、真に受けちゃって、見てらんないよお、あんた若くないでしょお、若くないでしょうよ。 先輩が駆け