単行本『ドラミちゃん』、最高だった。最初にいっておくと僕はドラえもんの熱心ファンではない。小学生の頃、コロコロコミックの連載を読み、大長編ドラえもんの特別連載を毎年心待ちにして、今も実家の本棚にはてんとう虫コミックが揃っている、その程度のファンだ。グッズを追い求めるとか聖地巡礼をするようなマニアではない。そんな僕でも単行本『ドラミちゃん』は最高の読書体験だった。ドラミちゃんワールドが1冊にまとまっているのがとても良かった。しかも240ページの大ボリューム。最高。 ドラミちゃんはF先生の変化球だ。ドラミちゃんというドラえもんとは性格の違うキャラクターを本来ドラえもんのいるポジションに配置して、物語に変化を与えている。アニメ版でよくある優等生なドラミちゃんがのび太の面倒をそつなくこなしてドラえもんが嫉妬するエピソードがその代表だ。マンネリ回避というよりは、たまに投げる変化球を楽しんでいたように