国連のグテーレス事務総長は16日、日本訪問を前に取材に応じ、核軍縮について、被爆国である日本の役割に期待を示しました。 グテーレス事務総長はG7広島サミットの関連会合に出席するため、日本を訪問する予定です。北朝鮮やロシアによる「核の脅威」が高まる中、核軍縮について、唯一の被爆国である日本に対し、期待感を示しました。 グテーレス事務総長「核保有国は核の先制使用をやめるだけでなく、いかなる状況でも核兵器を使用しないことを確認する時に来ています。この点で日本には特別な道義的権威があると私は信じています」 さらに、ウクライナ情勢については、現時点では、実りある和平交渉は非常に困難だとの見解を述べました。 また、チャットGPTに代表されるAIが無秩序に発展して、兵器に転用される可能性について懸念を示した上で、各国が協力し、越えてはいけない一線を定め、規範を確立しないといけないと指摘しました。
広島ビジョン「期待外れ」 ICAN暫定事務局長が批判―G7サミット 2023年05月21日07時05分配信 インタビューに答える国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のダニエル・ホグスタ暫定事務局長=19日、広島市中区 国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のダニエル・ホグスタ暫定事務局長は、先進7カ国首脳会議(G7サミット)で19日に発表された核軍縮に向けた声明「G7首脳広島ビジョン」について「新しい内容がなく期待外れ」と厳しく批判した。時事通信とのインタビューで語った。 バイデン氏、直前まで葛藤 原爆資料館訪問、米世論を懸念 ホグスタ氏は、被爆地の広島にG7首脳が集まったことを評価しつつ、「平和記念資料館や被爆者との面会で感じたことがあるはずだが、声明に全く反映されていない」と指摘。「写真を撮って献花するだけでは意味がない」と嘆いた。 また、広島ビジョンを「
「総理、逃げるんですか」 21日の主要7カ国首脳会議(G7サミット)の議長国記者会見で、岸田文雄首相が会見を終えて演台から離れようとした際、会場にいた男性記者から核廃絶問題について追加の質疑を求める声が上がった。首相は再び演台に戻り、約3分間質問に答えた。 首相は核軍縮問題を自身のライフワークと公言するだけに、「逃げるんですか」との一言に我慢できなかったようだ。 記者会見は同日、広島市の平和記念公園で午後2時40分ごろから始まり、首相の冒頭の発言の後、記者4人の質問に答えた。その後、司会の四方敬之・内閣広報官が会見終了を告げたが、男性記者がサミットで採択した核軍縮に関する首脳声明「広島ビジョン」について「1問だけでいい」と声を上げた。首相は既に演台に背を向け応答要領のファイルも警護官(SP)に手渡していたが、「逃げるんですか」の声にきびすを返し、「核軍縮…
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スイスのジュネーブで開かれている軍縮会議で、日本の代表が北朝鮮に、米朝首脳会談の共同声明に基づいて非核化に向けた具体的な行動をとるよう求めたのに対し、北朝鮮の代表は、日本とは関わりのないことで首を突っ込むべきではないと反論しました。 この中で日本の代表は「北朝鮮は共同声明で完全な非核化に取り組むと約束した。日本は、アメリカや韓国と連携して声明の履行を求めていく」と述べて、北朝鮮に対し、非核化に向けた具体的な行動を速やかにとるよう求めました。 これに対し、北朝鮮の代表は、「日本は、ことし4月のパンムンジョム宣言と米朝首脳会談の共同声明に署名していない。関わりのないことに首を突っ込むべきではない」と反論しました。 北朝鮮に非核化に向けた具体的な行動を取る求める声はオーストリアなど各国からも相次ぎましたが、北朝鮮の代表は「不要な圧力をかけるような発言は容認できない」と述べて、各国はむしろ北朝鮮の
世界に存在する核弾頭の数を調査している長崎大学は、最新の数としておよそ1万4450発と推計されると発表し、このうちアメリカについて「北朝鮮に非核化を迫る一方で、核兵器の近代化を図るのは矛盾した姿勢だ」と指摘しています。 「長崎大学核兵器廃絶研究センター」は、各国政府や専門機関の情報などをもとに、世界に存在する核兵器の数や種類を推計していて、13日最新の調査結果を発表しました。 それによりますと、世界の核弾頭の数は、今月はじめの時点で推計およそ1万4450発で去年より450発減ったということです。 このうち、ロシアが6850発、アメリカが6450発と、2つの国で全体の9割以上を占めています。 また、北朝鮮は、これまでに6回の核実験を行っていることなどから、保有する数を「10発から20発」として、今後核実験場の閉鎖の動きなどがあるか注視する必要があるとしています。 そのうえで、センターでは北朝
これが世界唯一の戦争被爆国である日本政府のとるべき態度か。米国の核軍拡に追従する姿勢からは、「核なき世界」をめざす意思の片鱗(へんりん)も見えない。 米トランプ政権が出した核政策の指針「核戦略見直し」に対する反応である。核廃絶の理想を捨て去った、この指針について河野外相は「高く評価する」とする談話を出した。 指針は、核を使う姿勢を強めて相手を抑止する発想に貫かれている。小型の核の開発で使いやすさを高め、核以外の攻撃にも核で応じる可能性を示した。 河野氏は「核抑止と核軍縮は相反するものではない」というが、指針の内容は明らかに核軍縮の流れに逆行している。 究極兵器を使うハードルを下げ、予測困難な要因で核戦争に陥ればどうなるか。4年前の外務省委託研究は、人口100万の現代都市で広島原爆級なら約27万人、水爆なら約83万人の死傷者が出ると推計している。 核の非人道性を身をもって知る国として、日本に
菅義偉官房長官は14日の記者会見で、8月のジュネーブ軍縮会議で日本の高校生平和大使の演説が、核保有国とみられる一部加盟国からの圧力で見送られたことについて「スピーチは実現できなかったものの、高校生がさまざまな国の代表と直接意見交換をすることで、互いの考え方を理解し合えたことは有益だった」と述べた。 政府は代わりに、高校生らがジュネーブでの日本政府代表部主催のレセプションに参加し、各国外交官らの前でのスピーチや意見交換を行う機会を提供した。 河野太郎外相は14日の会見で「会議の段取りは、コンセンサスが得られなければ変わらざるを得ない」として、各国の合意がなければ軍縮会議での演説は困難だとの見解を改めて説明。レセプションへの参加に関し「一方的に演説するのではなく、核兵器禁止条約への賛成国、反対国などさまざまな国の代表と双方向のやりとりができ、今まで以上にいろんなことを考えられる場になったと思う
スイスのジュネーブ軍縮会議で高校生平和大使による演説が今年は見送られる見通しとなったことを受け毎年、平和大使を派遣している被爆地の長崎では、大使経験者や被爆者らから「残念」「意見の違いを尊重して」などの声が上がった。 長崎市では19日、今年の高校生平和大使22人のうち、長崎から派遣される3人の出発式があった。彼らは演説を想定し、英語力を鍛えてこの日を迎えた。 引率する元教師の平野伸人さん(70)=同市=は、取材に対し「正式に見送りを伝えられたわけではないので何とも言えない」と絶句。その上で「政府が反対している核兵器禁止条約を平和大使が『推進すべきだ』と主張してしまうことを、外務省側が恐れたのではないか」と推測した。議事内容次第では直前の変更もあるといい「演説ができることを期待している」。 出発式に参加した被爆者の井原東洋一さん(81)=同市=は「条約への言及を懸念しての対応ならば、政府と市
「高校生に本会議場から出ていくよう求めることもできる」。本紙が入手した外務省の公電には「ある国」の大使からの強い言葉がつづられていた写真を見る 核兵器廃絶を訴える高校生平和大使たちの演説が今年、ジュネーブの軍縮会議で実現しなかった背景には、核保有国とみられる他国からの日本政府に対する圧力があった-。西日本新聞が入手した外務省の公電からは、核兵器禁止条約の採択に向け大詰めを迎える中、一部核保有国の強硬な姿勢や、被爆国ながら「核の傘」に依存する日本政府の苦しい立場が浮かぶ。核廃絶運動に携わる長崎の関係者からは、落胆の声が上がった。 公電によると、スピーチ見送りの要請があったのは今年2月10日、同国の軍縮代表部次席主催の昼食会だった。次席が進藤雄介公使に対し「貴国が毎年軍縮会議で実施している高校生のスピーチを止めていただけないか」と発言した。 進藤公使は「次世代を担う若い世代に核軍縮・不拡散関連
2017.09.16 日本で脱原発を唱える者や団体には二種類ある。 実際に脱原発を実現しようとして、一歩ずつでも前に進もうとするものと脱原発が実現するかどうかはどうでもよくて、脱原発を使って票や金、支持を集めようというものだ。 現実に脱原発を実現しようとするものは、同じ方向を向いているものすべてでスクラムを組んで前に進もうとする。 その一方で、脱原発を政治的に利用しようとするものにとっては、同じような主張をするものが邪魔になる。 だから少しでも主張が違ったり、現実的に妥協しながらでも前に進もうとしたりするものを徹底的に批判する。 残念なことに核軍縮に関しても同じようなことが起きている。 少しずつでも核軍縮を進めていくためにスクラムを組もうというものと、核軍縮を利用しようというものにやはり分かれる。 その一つの典型が、ジュネーブ軍縮会議で日本の代表部がとった行動に対する後ろからの鉄砲玉だ。
スイスで開かれている国連のジュネーブ軍縮会議で、恒例だった日本の「高校生平和大使」による本会議での演説が、今年は見送られた。 演説は3年前から始まったが、特例的な演説を問題視する国があり、今年は実施に必要な全会一致の賛同を得られなかったという。 政府間交渉の場である軍縮会議での民間人の演説は確かに異例だ。それが定例となったのは、唯一の被爆国である日本の高校生が被爆者の声を伝え、核廃絶を訴える意義を各国が認め合っていたからだろう。 その貴重な機会が奪われた。とても残念だ。 高校生大使は全国の高校生が核廃絶の署名を集め国連に届ける活動だ。今年は20年目で過去最多の21万4300筆の署名が集まった。 2014年には日本政府代表団の一員に登録することで演説が実現し、昨年まで続けられた。 異議を唱えた国を政府は明らかにしていない。被爆国の立場を強調することに反発する近隣国もあれば、核廃絶をけん制する
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