「貧乏人は麦を食え」とは、第3次吉田茂内閣の池田勇人蔵相の“迷言”として知られる。実際には国会で、生産者米価高騰に対する所感を聞かれ、「所得に応じて、少ない人は麦を多く、多い人は米を食うような経済原則に沿うべきだ」という答弁が、新聞で“意訳”されて報じられ、瞬く間に国民に大臣の差別的発言として広がったようだ。(フジサンケイビジネスアイ) さて、世界の富を再配分するとまでいわれるインターネット環境が膨張を続ける今、再び「貧乏人は麦」的な発言が聞こえてきた。レンタルサーバー事業者が企業や団体5700機関ものデータを消失させた前代未聞の損害事件である。さらに慌てて導入した復旧プログラムによって今度は2300機関ものデータが漏洩(ろうえい)する障害を発生させ世間をあきれさせた。障害の原因はセキュリティー強化のためのプログラムの重大な記述ミスを見逃したためということだが、より重大な瑕疵(かし)は別に