ドイツで11月8日、殺人など12の罪でネオナチの女が起訴された。女を含む男女3人組は7年間で計10人を殺害し、男2人が役1年前に自殺し、女1人だけが逮捕された。被害者の大半は国内に増えるトルコ系移民。いずれも至近距離から顔面を銃で撃ち抜かれる残忍な手口で殺された。自らを「殺人特殊部隊」に見立て、移民殺害で「純化」を目指したのが動機だった。狂った信念から及んだ犯行は、ナチスを生んだドイツにいまなお「暗い闇」があることを明らかにし、社会を震撼させた。(勝田康三、大谷卓)「殺人特殊部隊」 独メディアによると、ドイツ連邦検察庁が起訴した女はベアーテ・チューペ被告(37)。同容疑者と、38歳と34歳の男兄弟(いずれも当時)の3人は2000~07年の間に計10人を殺害した。男2人は昨年11月に銀行強盗を起こした末に追い詰められて自殺。同被告だけが警察に出頭した。 昨年の逮捕から、検察は約1年かけて起訴