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テスラをはじめとする電気自動車(EV)が、先進のテクノロジーとガソリンを使わない未来への期待で自動車購入者を魅了する中、ハイブリッド車は過去のものになったと思われ始めていた。ハイブリッド車の旗手であるトヨタ「プリウス」の販売台数は、過去10年間で85%も減った。 ところが今では、EV販売の伸び悩みからゼネラルモーターズ(GM)やフォード・モーター、フォルクスワーゲンはEVで掲げた野心的な目標を下方修正するようになっている。 EVでなくハイブリッドが支持される理由 そうした中でも、ハイブリッド車の販売は堅調で、EVが2023年に直面した厳しい現実が今も続いていることが明白になってきた。アメリカ人の多くは電動化を大いに歓迎しているが、完全に電動化されたEV(フルEV)を受け入れる準備はまだ整っていない、という現実だ。 調査会社コックス・オートモーティブで産業分析の責任者を務めるステファニー・バ
特集「緊迫 台湾情勢」の他の記事を読む 台湾総統選挙の投票日は年明け1月13日で、あと3週間となった。選挙戦は与党・民進党の頼清徳候補がリードし、野党・国民党の侯友宜候補が追い上げ、第3政党・民衆党の柯文哲候補がやや離されて追いかける展開である。論点はだいたい出尽くし、台湾内政上の構造要因からみれば頼氏が逃げ切る可能性が高い。 しかし、断定するのはまだ早い。突発的な事態やスキャンダルの暴露、外的要因が影響する可能性は否定できない。終盤戦で野党逆転のシナリオはあるのか、中国の介入は選挙情勢を変えうるのか。いよいよ大詰めだ。 頼清徳がリードだが、広がった「政権交代を」の声 3候補の支持率は野党候補一本化交渉が決裂した11月中旬に大きく変動した。頼氏の1位は変わらないが、2位と3位が入れ替わって侯氏が頼氏を追い上げる構図になった。12月に入ってから台湾では毎日世論調査が発表されている。そのたびに
中国の商品市場で、EV(電気自動車)向け車載電池の主要原料である炭酸リチウムの先物が売り込まれている。先物相場の急落に引きずられ、現物価格も値下がりが止まらない状況だ。 炭酸リチウムの先物を取り扱う広州先物取引所では、12月5日、決済期限が2024年1月の先物取引の終値が1トン当たり9万3000元(約191万円)と、2日連続のストップ安で引けた。また、同日の現物価格は1トン当たり12万4000元(約255万円)と、2021年9月上旬以降の最安値となった。 先物価格は1トン200万円割れ 2023年初めの時点では、リチウムの現物価格は1トン当たり約50万元(約1029万円)の高値をつけていた。しかし車載電池の(供給過剰による)在庫急増を背景に、3月にかけて同約20万元(約412万円)に急落。その後は同約30万元(約618万円)まで値を戻し、年央までは横ばいが続いた。 ところが、7月21日に広
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このところNHK関係者から漏れ聞こえてくるのは、各ニュースサイトが廃止に向かって動いているとの情報だ。NHKは2015年に「公共放送から公共メディアへ」をスローガンに掲げ、NEWS WEBに限らず「政治マガジン」「事件記者取材note」などを開設したり、放送したテーマをその後も追って、視聴者からの情報も取り入れてネットで成果を提供するなど次々にニュースサイトを充実させてきた。これらを一気に廃止するのなら、もはや「公共メディア」の目標を取り下げたも同然だ。 「NHKプラス」をめぐる受信料問題 NHKは今は任意業務であるネット業務の必須業務化をめざしている。必須業務化で、現在は放送契約者のみが利用できる番組配信サービス「NHKプラス」を、テレビを持っていない人でもネット単独で契約できるようにしたいらしい。放送だけでは受信料収入を若い世代から取れなくなるのが目に見えているため、少しでも収入を増や
筆者は、次のように考えた。AIは、人間の能力を拡張するだけであって、AIを使う人間の側にはリスクを取る人と取らない人がいて、後者が安定した雇用と報酬を求めて安く働くことによって価値(カール・マルクスの言葉なら剰余価値)を提供することは変わらない。 あるいは低利でも確実に運用したいと思って、預金や債券を通じて安い資本を提供して、彼らが価値を提供することも変わらない。資本を提供する形でリスクを取る人が巻き上げていくことで利益が生じる経済循環の本質は変わらないのだろうから、資本主義はしぶとく残ると考えていた。 ところが、ふとした拍子に、筆者は自分の読みに見落としがあることに気づいた。単なる思いつきの思考実験なのだが、AIの発達とAIの完全な民主化と言えるような普及は、資本主義を殺すのではないだろうか。 AIの発達は、どのような形でわれわれの前に現れるのか。それは、全知全能の正解を知った、世界の問
特集「緊迫 台湾情勢」の他の記事を読む 2024年1月に行われる台湾総統選に向けて、事態が大きく動いている。11月15日に台湾の最大野党・国民党と第3政党の台湾民衆党が総統選で統一候補を立てることで合意。世論調査を基に候補者を決め、18日に結果を発表するとしている。 もともと両党ともそれぞれ独自の候補者を擁立していたため、野党は分裂状態で支持が分散していた。そのため与党候補は相対的な優位を保ち、選挙戦を有利に進めていた。野党統一候補が正式に決まれば、与党優位で進んでいた情勢が一変して、選挙戦が仕切り直しとなる可能性が高い。 野党連合は困難だとみられていた 総統選には与党・民進党から頼清徳副総統が出馬する。それに対し、野党陣営は国民党が侯友宜・新北市長、民衆党が柯文哲・前台北市長をそれぞれ公認候補に決定し選挙運動を進めてきたほか、鴻海精密工業の創業者、郭台銘氏が無所属での出馬を模索している。
航空業界に衝撃が走っている。 11月7日、鈴与ホールディングス(HD)が中堅航空会社・スカイマークの株式を取得すると発表されたのだ。2015年にスカイマークが経営破綻して以来、同社の再建を支援してきた投資ファンド、インテグラルが保有する株式の一部を鈴与HDに譲渡する。 鈴与HDは11月14日にスカイマーク株式を13%取得し、筆頭株主になる予定。取得価格は70億円以上になると見込まれている。インテグラルの保有比率は20.3%から7%程度に低下する見込みだ。 鈴与は静岡県に本拠を置く企業グループ。1801年に回船問屋として創業し、中核の物流事業を中心に建設、食品、情報など幅広く事業を展開している。トップは代々、「鈴木与平」を襲名し、現在の会長は8代目になる。清水(静岡市)では知らぬ者がいない、地元の親分的な存在だ。 グループには東海地場のフジドリームエアラインズ 株式売却そのものにサプライズは
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イスラエルはよく知られているように、欧米先進国並みの民主主義国であるとともに、世界に離散したユダヤ人が集まったユダヤ人の国である。1人当たりのGDPは5.4万ドルで世界14位。日本の3.3万ドル、32位を上回っている(2022年、IMF統計)。数字の上では堂々たる先進国である。 ところが、この「民主主義国」であると同時に「ユダヤ人の国家」であることは、イスラエルの場合、乗り越えがたい深刻な矛盾をはらんでいる。そして、それが今回のハマスによるイスラエル侵攻の最大の原因の1つになっている。 2022年12月に発足した「最右翼」の連立政権 現在のイスラエルのネタニヤフ政権はイスラエル史上、最右翼の政権と言われている。首相のネタニヤフ氏は右派政党「リクード」の党首で、すでに合計16年余りも首相を務める右派政治家で知られる。 そのネタニヤフ氏が2022年12月に発足した第6次政権で選んだ連立相手は、
岸田文雄政権の親台湾路線が目立つ。政権中枢を担う麻生太郎・自民党副総裁と萩生田光一・自民党政調会長が相次いで台湾を訪問、蔡英文総統との会談で「台湾有事」での日台共闘や、中国の経済威圧への連帯で合意した。 国交のない台湾当局者と政治・軍事面での協力をうたうのは、外交ルールに違反する言動だ。岸田政権が親台湾路線に自信を深める背景の1つとして、リベラル勢力の中から生まれた新しい「親台湾勢力」の誕生を挙げたい。 「ネオコン」と通底 この新勢力は、対中国大陸政策をめぐって深い亀裂が走る台湾で、「民主化」と「脱中国化」を進める与党民主進歩党(民進党)への支持を鮮明にし、「台湾有事」をめぐっては、岸田政権の対中抑止政策を支持し共振する。 伝統的な日本のリベラルを代表するメディアにも浸透し始めているこの勢力を、「ネオ(新)台湾派」と呼びたい。それは、アメリカでベトナム反戦運動が燃え盛った1960年代に反戦
2024年の新NISAスタートを控え、資産運用会社のつばぜり合いが激しくなっている。主力のインデックスファンドは0.1%未満のコスト競争でまさしく体力勝負の消耗戦だ。 先陣を切りトップを独走しているのが、三菱UFJアセットマネジメント(旧三菱UFJ国際投信)が運用する、「eMAXIS Slim」シリーズである。 2017年2月の設定以来、純資産総額は2021年に1兆円を超え、2023年7月には早くもシリーズで5兆円を突破。驚くほどの急角度で右肩上がりだ。中でも、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は2.5兆円を超える大黒柱で、米国の経済成長の恩恵をまともに受けたといえる。国内のインデックスファンドとして初の純資産総額トップに輝いた。 投資家からの愛称は「オルカン」 最大の要因はコストの低さ。何しろこのシリーズは「業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続ける」というコ
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最近、鉄道各社でクレジットカードなどのタッチ決済による乗車サービスを実証実験などの形で導入する例が増えている。手持ちの非接触決済可能なクレジットカードなどを自動改札機にかざすことで利用できるシステムだ。8月7日には、東京メトロが2024年度中に実証実験を開始すると発表した。 こうしたサービスは、海外ではすでに多くの都市で導入されており、すでに10年近くが経つロンドンでは、交通系ICカードのシェアを大きく奪うまでに浸透している。ロンドンの事例を紹介しながら、状況を考察してみたい。 手持ちのカードで改札にタッチ まず、クレジットカードなどのタッチ決済による乗車について、概要を簡単に説明しよう。東京メトロが行う実証実験にも参加するビザ(Visa)・ワールドワイド・ジャパンの説明によると、「Visaのタッチ決済」はこれまでに世界の600以上の公共交通機関で導入されているという。 前述の通り、利用者
中国の不動産大手の恒大集団(エバーグランデ)で、深刻な経営危機が表面化してから約2年。同社は7月17日夜、開示を延期していた2021年と2022年の通期決算を発表した。それらによれば、2年間の純損失は単純合計で8120億3000万元(約15兆7021億円)に上り、恒大集団の傷の深さが改めて浮き彫りになった。 巨額赤字の主因は、保有する不動産や金融資産の減損損失だ。決算報告書によれば、恒大集団の2022年末時点の総資産は約1兆8400億元(約35兆5797億円)。経営危機が表面化する前の2020年末時点の約2兆3000億元(約44兆4746億円)から、2年間で20%も縮小した。 一方、同社の2022年末時点の総負債は約2兆4400億元(約47兆1818億円)に達し、負債総額が資産総額を上回る債務超過に陥っている。その額は2021年末時点の4731億元(9兆1482億円)から、2022年末には
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