日中関係も中日関係も、その9割は内政だ。政治局常務委員クラスの訪日ともなれば、その失敗は中国の内政上問題となり得る。だから、この種の訪問ではあまり冒険はできない。むしろ、日程が何事もなく、予定通り、スムーズにいけば「大成功」となる。 江沢民元主席が訪日して以降、今回ほどギクシャクした中国要人訪日はあまり覚えがない。習副主席に同行していた中国側随員の顔色も心なしか蒼ざめて見えた。こんなはずではなかった、というのが日中関係者双方の本音だろう。 何でこうなったのか。「日本側の事情」はおびただしい報道のおかげで大体分かったが、中国側は「日本政府に聞いてくれ」の一点張りで、あとは黙して語らないそうだ。恐らく、中国関係者がこの点につき詳しい説明を行うことはないだろう。 そうであれば仕方がない。 勝手ながら今回は、「大成功」に終わるはずだった中国国家副主席訪日に「ケチ」がついた「中国側の事情」を解き明か