シビリアンの戦争――デモクラシーが攻撃的になるとき 作者: 三浦瑠麗出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/10/19メディア: 単行本購入: 13人 クリック: 615回この商品を含むブログ (14件) を見る 本書は、ぼくたちの多くが慣れ親しんでいる軍や戦争に関する基本的な考え方に大きな疑問をつきつける本だ。従来の発想では、軍人は戦争大好きだとされる。だから平和を愛する文民が彼らの活動を常に監視し、抑えなくてはならない。これが文民統制(シビリアンコントロール)の発想だ。 でも近年の多くの戦争の実態はちがう、と著者は指摘する。軍人たちは、戦闘で真っ先に死傷するのは自分たちだ。だから勝算のない無意味な戦争にはきわめて慎重だ。むしろ文民たちのほうが、独裁政権打倒とか対テロとか、その時の勝手な思い込みと勢いで、軍人たちを(民主主義のおかげで!)戦争に引きずり込んでいる、と。すると、文民
クルーグマンの本と一緒に購入。読みはじめるや否や、興奮して一気に読了してしまった。このような名著をいままで読まずにいたことを恥ずかしく思う。いまさらここで感想文を書くのも恥の上塗りかもしれない。 書名のとおり、戦争という事象を、機会費用、比較優位、クラウディング・アウトといったミクロ・マクロ経済学のツールをもちいて分析する本である。裏を返せば、経済学の使いかたを戦争というテキストを通して演習する本でもある。第二次大戦やベトナム戦争など国家間の戦争だけでなく、内戦やテロリズム、平和維持活動などといった話題にもそれぞれ頁をさいていて、それらが経済学的にはどのように理解できるのかを論じている。ミリオタにも経済屋さんにも断然おすすめの一冊だ。 しかし、なにしろ題材が戦争であり、経済的な損益以外の価値判断やイデオロギーをほとんどさしはさまないで淡々とした記述がつづいていくので、『人でなしの経済理論』
2008年01月09日08:30 カテゴリ書評/画評/品評Money 古典x古典=斬新 - 書評 - 戦争の経済学 実に面白くかつ役に立つ一冊。 戦争の経済学 Paul Poast / 山形浩生訳 [原著:The Economics of War] 本書の一番の「難点」は、「戦争」と「金」の組み合わせが面白く役に立つことそのものかも知れない。この片方だけを見ただけで理性が吹っ飛ぶ人も少なくないのに、本書はそのコンボである。 しかし、そういう人こそ、本書を読んで欲しい。その方が平和により近い道なのだから。少なくとも東国原英夫と赤木智弘の両名は必読である(笑)。 本書「戦争の経済学」は、戦争を経済学を通して学ぶと同時に、戦争を通して経済学を学ぶ本である。 目次 謝辞 序文 第一部 戦争の経済効果 第1章 戦争経済の理論 第2章 実際の戦争経済:アメリカの戦争 ケーススタディ 第二部 軍隊の経済
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