2020年7月31日金曜日の午前0時過ぎ──。何千人もの初心者オプション投資家が好んで利用する月額20ドル(約2100円)の購読型スラックチャンネル「トッド・キャピタル・オプションズ・コミュニティ」は、活気にあふれていた。 新型コロナウイルスの世界的パンデミックのなか、アマゾン、アップル、フェイスブック、グーグルの第2四半期の業績は、売り上げが4社で総額2050億ドル、純利益が340億ドルという驚異的なものだった。 一方で、同期の米国の国内総生産(GDP)は年率換算で33%減。そして、何週間もの間、モバイル取引アプリ「ロビンフッド」を通じて投機的なコールオプションに大金を注ぎ込んでいた前出のチャンネルに集う若き会員たちは、アドレナリン全開の興奮が歓喜に変わる体験をした。 前日、アップルの利益が予想を上回ったばかりか、1対4の株式分割も発表され、より多くの小口個人投資家が同社株に群がっていた