日本の長期金利上昇(国債価格の下落)を見込んで、国債を売る海外のヘッジファンドが注目されていたが、ここにきて長期金利は下落基調だ。 まず日銀が現在行っているイールドカーブコントロール(長短金利操作)は、日本経済とりわけ雇用のための金融政策であるが、債券取引業者にとってはビジネスにならないのでつまらないものだ。これまでのデフレ経済で金利が低下(債券価格は上昇)傾向だったので、各金融機関で債券部門は稼ぎ頭だったが、今ではそうでなくなった。 一般的に金融政策は短期金利に介入するが、長期金利に介入しない。このため、長期金利はさまざまな思惑で変動する。そこに債券業者のビジネスチャンスがある。ところが、イールドカーブコントロールでは、少しでも長期金利が上がり出すと、日銀は国債を買うので、長期金利の変動幅はごくわずかになり、いわゆる「相場」になりにくい。 要するに、国債市場は、金融機関の「売り」に対して
東京証券取引所は2022年1月11日、4月4日に実施する株式市場再編後の全上場企業の所属先を公表し、実質最上位のプライムには1841社が上場することになった。東証1部のうち8割強が移行し、プライム以外に移る企業は2割弱に留まった。 上場基準を厳しくして、新陳代謝を促す狙いがあると言われているが、その本質は会社の組織変更と同じと筆者は見ている。 再編までの経緯 経緯を辿って見よう。昔は東証には1部と2部があり、1部が上で、2部がその2軍だった。他にもジャスダック、ヘラクレスとマザーズがあって、こちらはベンチャー企業用。 ジャスダックは、1960年代からもともと日本証券業協会という、取引所でない全然違うところがやっていたが、2004年に取引所に変わった。 ヘラクレスは1999年に前身が設立され2000年から大阪証券取引所がやっていて、マザーズは1999年から東京証券取引所がやっていた。 ジャス
さっぱりわからない恒大集団の実体 中国で企業やネットへの規制が強化され、学校教育で習近平思想が盛り込まれるなど、「文革」と重ね合わせる見方が出ている。背景に何があるのか、こうした動きが日本にどのような影響を与えるのか。 中国への不透明感は最近増している。中国の不動産グループ恒大集団が経営危機に陥っているという。これについて、在阪テレビ局でとりあげるというので、調べてみたが、正直に言って経営実態がよくわからなかった。 実は、筆者は役人時代に不良債権のプロとして各種裁判において専門家鑑定を行った経験がある。中国政府にも何度も呼ばれて日本の不良債権処理についてレクチャーこともある。 不良債権処理手順は比較的簡単で、バランスシートを作成し損失額を算出しその負担者を決めるだけだ。負担は、株主、債権者の順が原則で、場合によっては政府が出てくることもある。 しかし、中国でその当時、強く感じたのは破産法制
ゆうちょ銀行と韓国の新韓(シンハン)銀行が業務提携の覚え書きを交わしたと5月27日に発表された。 業務提携の内容は、リテールビジネスで、スコアリング(個人信用格付け)モデル開発と、それを基盤としたビジネスモデルの検討などを共同で進める計画だ。業務提携としては「勉強レベル」のものだといえる。 そもそも、ゆうちょ銀行は普通の銀行では当たり前の「貸し出し」がほとんどない。総資産は約223兆8700億円だが、貸出金はそのうち約4兆6900億円にすぎない。しかも貸出先は国と地方公共団体が大半を占めており、個人や中小企業向けは約996億円と貸出金の約2・1%、資産全体の約0・04%しかない。
「ねじれ状態」はどうなる? 米大統領選は、バイデン氏の勝利の方向へ歩み出している。7日夜、バイデン氏が勝利宣言した。しかし、トランプ氏は、法定闘争する構えであり、最終的にどちらが勝者になるのか、結果が出るまでは時間がかかるだろう。 ひとまず、菅首相をはじめとする各国の指導者は祝意をバイデン氏に伝えている。市場もバイデン氏勝利を折り込みつつある反応だ。トランプ氏の提訴がとこまで取り上げられるか不透明であるとともに、一定の州で規定通りに再集計するとしても、これまでの歴史を見る限り、覆る可能性は低いからだ。 トランプ氏のいう、郵便投票による不正という主張は、郵便投票が限定的にしか認められていない日本人からみれば納得できる点も少なくない。だが、アメリカでは郵便投票を有権者の「権利」ととらえる。アメリカ人の平均的な感覚では、不正とされる事例が多量に出てくる可能性は低いと考えているはずだ。 いずれにし
大蔵省の「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」いまだからウラ話を明かそう! 銀行はあれから「安泰」ではなくなった かつて銀行員(バンカー)は花形の職業だった。中でも、大蔵省(現・財務省)との折衝を行うMOF担(モフタン)は、エリートバンカーの象徴としてもてはやされた。しかし、そんな銀行員と大蔵省当局との「癒着」が明るみに出たのが1990年代のノーパンしゃぶしゃぶ事件だ。逮捕者まで出す一大騒動に発展した同事件こそが、いまに続く銀行大波乱時代の幕開けとなったのだ。 いまや銀行不要論まで飛び出すまでになった現代、そもそも銀行はどうしてここまで「凋落」してしまったのか。その源流はこの事件にさかのぼることができるともいえる。そこで今回は、当時大蔵省に在籍した元大蔵官僚で、安倍晋三首相のブレーンとしても知られる嘉悦大学の高橋洋一教授と、新作小説『よこどり 小説メガバンク人事抗争』で、メガバンクの実像に独自の切り
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