物資で埋め合わせする場合、これは物々交換で貿易の決済をしているのと同じことになります。エネルギーの埋め合わせも一種の物々交換と言えるでしょう。陸続きの国の場合、エネルギーを売り買いするのは珍しいことではありません。フランスはドイツに原子力発電で作った電気を売っています。支那は水力発電で生み出した電気をベトナムに売っています。 設備で埋め合わせすること、これは物々交換の変形ですが、まれにあります。戦時賠償などで戦勝国が敗戦国の生産設備を奪っていくことがこれにあたるでしょう。あるいは土地を設備の一種と考えれば、領土割譲もこれに当てはまるかもしれません。 お金で埋め合わせするには二つの方法があります。一つは輸入国が代金を払うことです。もう一つは、信用通貨ならではのからくりですが、輸出国の中央銀行が、流出した国富の分だけ自国通貨を発行することによって流出した国富を埋め合わせするという手段があります