2009年10月19日04:30 カテゴリ書評/画評/品評 Bellum Americanum? - 書評 - 100年予測 早川書房東方様より献本御礼。 100年予測 George Friedman / 櫻井祐子訳 [原著The Next 100 Years] 架空戦記ものが好きな人、必読。もまいらの大好きな日米戦争も出てくるゾ! まじめな話、ここまで自国をシニカルに見ている著者がいる事に素直に感動する。そのシニシズムを演繹すれば、本書の予測となるのだろう。 そうはならないと先に弾言しておくことにしよう。 本書「100年予測」、原著"The Next 100 Years"の「本当のタイトル」は、「戦争の世紀2.0」。 目次 著者まえがき 序章 アメリカの時代とは何か 第1章 アメリカの時代の幕開け 第2章 地震―アメリカの対テロ戦争 第3章 人口、コンピュータ、そして文化戦争 第4章 新
2009年08月15日14:30 カテゴリ書評/画評/品評Love それを選んでしまわぬために - 書評 - それでも、日本人は「戦争」を選んだ 朝日出版社鈴木様より献本御礼。 それでも、日本人は「戦争」を選んだ 加藤陽子 これは、すごい。 はじめて「腑に落ちる」日本近代史を読ませていただいた。 なぜ、それでも日本人が、いや二十世紀人たちが戦争を選んだのかを、やっと納得することができた。 そして、わかった。 どうしたら戦争を選ばずにすむのかが。 本書「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」は、歴史学者である著者が、中高年ではなく中高生とともに、日清戦争から太平洋戦争に至る戦争の世紀を一緒に学んだ記録。 それでも、日本人は「戦争」を選んだ 加藤陽子 目次より 序章 日本近現代史を考える 1章 日清戦争 - 「侵略・被侵略」では見えてこないもの 2章 日露戦争 - 朝鮮か満州か、それが問題
2009年07月07日19:30 カテゴリNewsTribute 訃報 - Robert McNamara, 93 20世紀を形作った人物が、また一人。 livedoor ニュース - <訃報>マクナマラ氏死去 元米国防長官、ベトナム介入拡大 米メディアによると、ケネディ、ジョンソン米政権でベトナム戦争を指揮したロバート・マクナマラ元米国防長官が6日、死去した。93歳だった。 ベスト&ブライテスト David Halberstam / 浅野輔訳 [原著:The Best and the Brightest] この人を語るには、やはりこの本が欠かせない。邦訳は入手しにくくなっているようだが、原著は今も入手可能だ。あの国を形を知るのに、避けては通れない名著だ。そして、あの国の暴力を、いかにして避けるかを知るためにも。 こりゃ、いまの日本には絶対作れないものだよなあ: [間歇日記]世界Aの始末書
2009年04月16日06:00 カテゴリ書評/画評/品評 事実は小説よりも... - 画評 - テラ・ルネッサンス I インフィニティ木戸様より献本御礼。 テラ・ルネッサンス I 田原実作 / 西原大太郎画 正直、本を読み慣れた人であればあるほどカバーを見て引くだろう。 なにしろ「『心を育てる』感動コミック」である。 なんて文部省推薦漫画的な。 しかし、ここに描かれているのは、本当のことなのである。くさい「芝居」ではないのだ。 本作「テラ・ルネッサンス I」は、NPOテラ・ルネッサンスの理事長、鬼丸雅也が見た、少年兵の実態。その実態を見れば、「文部省推薦漫画的」から来る照れは地雷を踏んだ足のようにふっとんでしまう。 現在世界には 確認されているだけで、18歳未満の子ども兵が約30万人存在しています。 この子ども兵たちは、「単なる」「未成年の」「軍人」ではない。 それ以前に、「人」として扱
2008年12月15日19:30 カテゴリ 戦士戦場を語れず - 書評 - 戦争絶滅へ、人間復活へ そういう祖父がいない人のために、本書がある。 戦争絶滅へ、人間復活へ むのたけじ / 黒岩比佐子 祖父は従軍の記憶を僕に語ろうとしない。普段は雄弁な祖父は、しかし口を濁した。どんな返答が返ってきたか覚えていない、ということはなにか意味のある言葉ではなかったのだろう。僕は祖父がなぜこれを語ろうとしないのかよく分からないし、うまく想像もできないでいる。 これは - finalventの日記 これは、お祖父様の友人がいる席に同席してじっと耳を傾けることですよ。 本書、「戦争絶滅へ、人間復活へ」は、従軍記者として太平洋戦争に従軍し、1945年08月15日その日に戦争責任を取る形で退社し、秋田県横手市で「たいまつ」という週刊新聞を1978年まで発行し続けて来た、あの戦争を生で知る人の事実上の最終作品。
2008年05月30日22:20 カテゴリ書評/画評/品評Money 仕事速っ - 書評 - イスラム金融入門 幻冬舎小木田様より献本御礼。 イスラム金融入門 門倉貴史 仕事の速さには定評のある著者だが、今回はその中でも最速ではないか。 本書「イスラム金融入門」は、グラミン銀行やオイルマネーの再興で俄然注目度が上がった、イスラム金融について解説した一冊。そう。実はグラミン銀行もイスラム法をクリアーしているのだ。「グラミンフォンという奇跡」にもきちんと載っている。 目次 - 5月30日の朝日新聞朝刊に「イスラム金融入門」(幻冬舎新書)の広告が掲載されました!|門倉貴史のBRICs経済研究所 にも 幻冬舎 イスラム金融入門 世界マネーの新潮流 ? 門倉貴史 著にもないので手入力:( プロローグ 金融市場の新たな勢力 第一章 イスラム金融、これだけ知れば大丈夫 第二章 有力グループ、MEDUSA
2008年04月09日18:30 カテゴリ書評/画評/品評SciTech ESSってなに? - 書評に代えて - 生態系ってなに? タカ派はハト派より強そうだ。マッチョはウィンプより強そうだ。 なのになぜ世の中はタカ派やマッチョばかりにならないのだろうか。 それに答えてくれるのが、Evolutionarily stable strategy = ESS(進化的安定戦略 - Wikipedia)だ。 生態系ってなに? 江崎保男 見てのとおりWikipediaにも日英双方のページがあるのだけど、どちらもわかりやすいものとは言えない。今まで見つけた解説の中で一番わかりやすいものが「生態系ってなに?」にあったので紹介する次第だ。 P.135 そこで、自然淘汰に関する「弱肉強食」のイメージの払拭にとりかかりましょう。自然淘汰は「強いものが生き残る」というイメージがありますが、たとえば、進化の上で闘争
2008年03月31日00:15 カテゴリ書評/画評/品評Value 2.0 「希望は、戦争」?こちらをどうぞ! - 書評 - ルポ 貧困大国アメリカ たとえば「ワーキングプア」を読んで、日本が格差社会であると思っている方は、本書を読んでその認識を新たにせざるを得ないだろう。 ルポ 貧困大国アメリカ 堤未果 ソーシャルブックマークをお使いの方は、[これはひどい][これはすごい]タグのご準備を。 本書「ルポ 貧困大国アメリカ」は、超大国アメリカが、貧困の面でも超大国であることを克明に伝えた一冊。私はかの地に住んでいたこともあり、そこに行く回数も少なくないのである程度知っているつもりであったが、それが「つもり」でしかなかったことを改めて認識させられた。 目次 - 岩波新書 ルポ 貧困大国アメリカより プロローグ 第1章 貧困が生み出す肥満国民 新自由主義登場によって失われたアメリカの中流家庭
2008年01月09日08:30 カテゴリ書評/画評/品評Money 古典x古典=斬新 - 書評 - 戦争の経済学 実に面白くかつ役に立つ一冊。 戦争の経済学 Paul Poast / 山形浩生訳 [原著:The Economics of War] 本書の一番の「難点」は、「戦争」と「金」の組み合わせが面白く役に立つことそのものかも知れない。この片方だけを見ただけで理性が吹っ飛ぶ人も少なくないのに、本書はそのコンボである。 しかし、そういう人こそ、本書を読んで欲しい。その方が平和により近い道なのだから。少なくとも東国原英夫と赤木智弘の両名は必読である(笑)。 本書「戦争の経済学」は、戦争を経済学を通して学ぶと同時に、戦争を通して経済学を学ぶ本である。 目次 謝辞 序文 第一部 戦争の経済効果 第1章 戦争経済の理論 第2章 実際の戦争経済:アメリカの戦争 ケーススタディ 第二部 軍隊の経済
2007年11月29日22:30 カテゴリTaxpayer 左翼が徴兵賛成な理由 不正解。 徴兵制 - d.hatena.ne.jp/Mr_Rancelot/ 日本の左翼が馬鹿な理由そう、海外だと徴兵制に賛成しているのは左翼だ。 海外と言うが、どこの国だろう。おそらくアメリカだろうが、これは政治的なポリシーよりも、人種的な要素が強い。 答え(の一つ)は、フランス。 日本とフランス 二つの民主主義 薬師院仁志 このあたりの事情は、「日本とフランス 二つの民主主義」に詳しい。 404 Blog Not Found:平等←博愛→自由 日本では、保守が右翼で革新が左翼ということになってしまっていて、これは「右」=right(正)、「左」=left(余)という点では間違いではないのだが、世界的趨勢でいくと、むしろタイトルに書いたように、左は平等を、右は自由を指すと解釈した方がいい。著者はそれを強調す
2007年11月19日07:00 カテゴリ書評/画評/品評 本当の題名=「海軍の見識」 - 書評 - 大人の見識 新潮社後藤さんより献本御礼。 大人の見識 阿川弘之 読了後すぐに書評するつもりが、Amazonでの販売開始が遅かったので後回しになってしまった。 本書「大人の見識」は、太平洋戦争の時にすでに大人だった著者が、その67年後の今も使える見識を語ったもの。幼少時の戦争体験を知るものはまだ少なからず存命であり、 養老孟司をはじめその体験を著書で披露するものも少ないないが、成人として、ましてや海軍将校として敗戦を迎えたものが2007年の今を語るというのは大変貴重である。 目次 序に代えて - 老人の不見識 第一章 日本人の見識 信玄の遺訓と和魂 / 東條の演説 / 局長ならば名局長 / 沈黙を守った人々 / 国家の品位 / 上手な負けっぷり 第二章 英国人の見識 獅子文六さんと英国 /
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