「おはようございます」 「おはよう。何書いてるの」 「ちょっとしたメモを…先輩、スーパーエースとか撃墜機数って、どう思います」 「エース? 戦闘機パイロットとかのか? どうってどういうこと。ハルトマンが三百何十機だ、バルクホルンが何百機だ、というやつでしょ。何怒ってるの」 「そう。僕はああいったああいうのにロマンを見出すのが苦手でして。その怒りを書きとめておこうと。」 「フム。ときどき血圧を高めるのは健康と寝起きにいい。どういう話」 「たとえば第二次大戦で対地攻撃機の英雄ルーデルは、一人で赤軍戦車を五百両、車両を八百両撃破したといいます。すごい数字なことは確かです。そこでたまに見かける話が、《もしルーデルが一個大隊いたならばソ連軍涙目》てなものですが、いいですか先輩。先輩も軍事おたくの末席を汚しているならば」 「えっ」 「こんなこと言っていたら万一ぶっとばしますよ。いいですか、人材と装備で