【貧困の現場から】(5) 引きこもり15歳「夢ない」 (2ページ目) 2015/12/21 17:00 (2019/6/3 14:47 更新) ◇ ◇ 彩が記憶をたぐる。小学校低学年のころは幸せだった。父は会社に勤め、マンションも買った。 だが、やがて父の母に対する暴力が始まり、それは激しくなる一方だった。「夜、ふすまが飛んできても目をつぶり、寝たふりをした」。父はギャンブルにも手を出し、約500万円の借金を抱えて自己破産。心を病んでしまった母は、彩が小学3年の冬に1人で家を出た。 父はタクシー運転手となったが、手取りは10万円前後。家事を全くせず、食事は彩が見よう見まねでカレーやパスタを作った。そうしないと生きていけなかったから。家にはごみが散乱。頭にシラミが湧いていることに気付いた先生が、見かねて家の掃除に来たこともある。 小5の春、親戚の家に引き取られることになり、クラスでお別れ