【ブリュッセル=辻隆史】欧州連合(EU)が食品包装への新たな規制を検討している。実現すれば日本酒や和牛を域内に輸出することが難しくなる恐れがある。日本政府は対象から外すよう働きかけを強める。EU加盟国からなる閣僚理事会と立法機関の欧州議会は3月4日にも、食品包装の規則について詰めの協議をする。大筋で合意すれば、両機関の最終承認を経て2030年から施行する。焦点の一つは日本酒の扱いだ。執行機関
食べものから「資本主義」を解き明かすとは 私たちが何を食べるか、食料安全保障をどうするのか。そこには消費者や農家の努力だけではなく、政治経済が大きく影響している。学生たちにそう話すと「食べものと経済が関係しているなんてビックリ!」と驚かれる。しかし実際には、食も農も資本主義のロジックで動いている。 気候危機も、パンデミックも、戦争も、広がる格差や「生きづらさ」も、山積する問題は、じつは資本主義経済としては当然の結果という見方もある。だからこそ、そのカラクリを理解することが重要だ。 とはいうものの、ただ経済学を勉強しても現状はなかなか見えてこないだろう。もっともらしく語られる理論(セオリー)と私たちのリアルは大きく乖離しているからだ。そこで、身近な食べものを題材に、現代社会のグローバル化、巨大企業、金融化などを解き明かしてみた。若い人にも女性にも、「素人」や「庶民」にこそ、この現代社会のカラ
人口約6000の町に、年80万人近くの観光客が押し寄せています。 町に人を呼び込んでいるのが、「ガストロノミーツーリズム」という新たな観光の形です。「料理を味わう」だけでなく「食文化を学ぶ」「みずから作る」などの食体験をするために、その土地に赴くことを指しますが、なぜ人々をひきつけているのでしょうか。 イセエビやサザエ、日本酒…。首都圏近郊で注目の“美食の町”を取材しました。(首都圏局/ディレクター 韮澤英嗣) 食が地域の宝に! ガストロノミー先進地 千葉県いすみ市 千葉県の外房に位置する、人口3万5千のいすみ市。いま、この町の食を目当てに、年間45万人以上が訪れます。 豊かな海と里山に恵まれたいすみ市は、農業や漁業などの一次産業が盛んです。 しかし、担い手の高齢化が進み、自治体は強い危機感を抱いていました。 食に注目するきっかけとなったのは、10年ほど前、町を訪れた人がつぶやいた一言でし
新規参入から、わずか3年で破産手続きを始めたのは、長野県茅野市に工場を持つ「クリケットファーム」。親会社を含めた3社での負債総額は2億4290万円にのぼる。クリケットファーム公式サイトでは「世界ではいま食糧危機への警鐘が鳴らされています。だからこそ、私たちは昆虫食に着目し、動物性タンパク質をとるための新たな選択肢を世の中に提案していきます」などと呼びかけていた。 同社の手がけるコオロギパウダー配合の食品は、茅野市や岡谷市のふるさと納税の返礼品にも採用され、NHKや民放のテレビ番組でも取り上げられていた。しかし2023年12月分の家賃支払いが止まり、2024年1月に弁護士から倒産する旨の連絡が入ったという。 昆虫食はSDGsの観点で注目される一方で、街の声は「ちょっと苦手かも」「形そのままでくると、ちょっとうわってなる」「見た目が無理」などといった嫌悪感も示される。 岡谷市の吉田浩市議と中島
意味を見いだせない文化が消滅の危機にキャリアの研究などを行うライボは、義理チョコに関する調査結果(「2024年 バレンタイン実態調査」)を発表した。その統計によると、2024年2月に職場の人にバレンタインの菓子を渡さないとの回答は89.3%に及んでいる。 今や約9割の人は義理チョコを渡す意向がないのだ。 職場の人へバレンタインの菓子を渡したという割合は、コロナ禍前の2019年が14.4%。2023年は4.8%まで減少している。コロナ禍の2021年でもこの割合は6.9%あった。オフィスや学校に行くのが当たり前になって、義理チョコを渡す機会は今や増えているはずだ。義理チョコ文化そのものの意識に変化が生じている。 渡さない理由として、「特にバレンタインを気にしていないから」との回答が3割に及んでいる。また、準備や時間が面倒、お金がかかるからという回答も同様の割合を占めた。 義理チョコとホワイトデ
ホウレンソウや小松菜、白菜…葉物野菜が食べられなくなる? 寒い時期に旬を迎える葉物野菜は、サラダや炒め物、鍋といった料理に欠かせない食材だが、そのひとつであるホウレンソウが今、生産の危機に瀕している。 農林水産省が昨年8月に更新した『令和4年産指定野菜(秋冬野菜等)及び指定野菜に準ずる野菜の作付面積、収穫量及び出荷量』の累年データ(概算)によると、ホウレンソウの収穫量は平成25年(2013年)産で25万300tあったが、令和4年(2022年)産では20万9800tにまで減少。 白菜やレタス、ねぎなどほかの葉物野菜でも減少が続いているが、一際量を減らしていたのがホウレンソウであった。 ホウレンソウの収穫量がここまで減少している理由は一体何だろうか。 「近年の異常気象や暖冬による影響が大きいでしょう。ホウレンソウなどの葉物野菜は冷涼な気候が栽培に適しているので、気温が上がるだけでかなり育ちにく
ユニークな取り組みがたくさんある中で、そのうちの1つを簡単に紹介しよう。話は4年前にさかのぼる。2020年1月、マクドナルド秋葉原昭和通り店の閉店を受けて、近くにあったバーガーキングの店が「22年間たくさんのハッピーをありがとう」という垂れ幕を掲げた。しかし、一番左側の文字を「縦読み」すると「私たちの勝チ」という言葉が浮かび上がる――。 【画像】「バーガーキングの人気商品」全部見る(12枚) SNSで「マクドナルドをイジる戦略」がたびたび盛り上がっているが、このようなエピソードを紹介すると「ふざけたことばかりしているのね。目立ちたがり屋かいな?」などと思われたかもしれない。もちろん本業にもチカラを入れていて、個人的に気になっているのは店舗数だ。 19年5月に99店舗のうち22店舗が閉鎖したものの、そこから反転攻勢に。20年に100店を超え、そこからわずか3年ほどで200店に拡大したのだ。当
JR三鷹駅から徒歩約12分。すかいらーくホールディングス(HD)本社の目の前に、同社が展開する郊外型カフェ「むさしの森珈琲」の武蔵野西久保店(東京都武蔵野市)がある。ゆったりとくつろげるソファを配置した店内には、こだわりのコーヒーを飲みながら本を読んだり、談笑したりする女性客やシニア客が多い。 この場所には以前、ファミレスの「ジョナサン」があった。だが、近隣にあるジョナサンの店舗とのカニバリ(共食い)が懸念されたことからコロナ禍のさなかの2021年7月に業態転換した。 ファミレスからカフェに変わったことで来店動機も変化。食事をするだけでなく、店にいる時間を楽しむ客が増えた。ジョナサン時代からテラス席を用意していたが、「むさしの森珈琲になって目に見えて利用が増えた」と同社執行役員店舗開発本部マネージングディレクターの梅木郁男氏は話す。 数字でも転換効果がはっきりと出た。厚切りトーストなどを提
電子レンジでチンすれば、すぐに熱々のご飯が食べられる「パックごはん」は便利ですよね。特に1人暮らしであれば、非常に効率的だと思います。 ただ、炊飯器で炊くよりは費用がかさんでいるであろうことは容易に想像がつくでしょう。本記事では、パックごはんと自炊との具体的な差額を計算してみます。 「サトウのごはん」の価格 パックごはんは数多くの種類がありますが、本記事では多くの人が1番に思い浮かぶであろう「サトウのごはん」を用いて計算を進めていきたいと思います。 2024年1月10日時点におけるAmazonでの販売価格は、「サトウのごはん新潟県産コシヒカリ200グラム×20個」で3047円となっており、1個当たりは152円です。スーパーなどではさらに安く売っているかもしれませんね。 パン食や外食の日もあることなどを考慮して、1日当たり2個消費するとしましょう。1ヶ月にかかる費用は、152円×2個×30日
大好きな方がたくさんいる『ラーメン』のニュースです。実は今、倒産する店が増えています。そこにはラーメン業界特有の「壁」がありました。 【動画で見る】ラーメン店の倒産が過去最多 物価高に円安で値上げは限界 「1杯1000円の壁」が経営苦しめる あったかいスープに、つるつるの麺。日本人の国民食とも言えるラーメン。しかし今、苦境に立たされている店が多くあります。 兵庫県西宮市で25年以上営業を続けていた「にしのみやラーメン」。豚骨や鶏ガラのスープに海老エキスを加え、白菜がたっぷり入ったあっさり系のラーメンが名物で、長年、地元の人たちに愛されてきました。 【にしのみやラーメンオーナー 秦一晶さん】「カウンターどうぞ~」 【15年来の常連客】(Qどのくらいの頻度で?)「週1くらいでしょうかね。食べ応えといいますか、味はもちろんなんですけど」 【15年来の常連客】「スープが特徴的なので、とんこつラーメ
昆布でできた“切符”を手に敦賀に来て―。3月の北陸新幹線敦賀開業が迫る中、福井県敦賀市は新幹線乗車券とほぼ同じサイズの記念グッズ「昆布切符」を制作した。食用素材で印字し、だしをとるのも可能。沿線都市で配布する。持参すると市内施設で特典がもらえるとあって、受け取った人を敦賀の旅へといざなう。 敦賀は江戸、明治時代に北前船で北海道から昆布が運ばれ、昆布の加工技術が発達。特産「手すきおぼろ昆布」の全国シェアは80%を超える。首都圏や北陸新幹線沿線自治体でのプロモーション事業に活用しようと、伝統の昆布に着目した“史上初”のグッズとして制作した。 縦5・7センチ、幅8・5センチと新幹線乗車券とほぼ同じ大きさ。大きな「敦賀」の文字や、北陸新幹線敦賀―東京間の距離にちなんだ「580km区間」が白く印字されている。今月9、10日は長野市の「長野灯明まつり」、12日はさいたま市の「さいたまマラソン」会場に設
豊洲千客万来 @toyosu_senkyaku ㊗️2024年2月1日(木) 東京のウォーターフロント 豊洲市場の場外に 【⠀豊洲 千客万来⠀】が誕生。 豊洲 千客万来 ➡toyosu-senkyakubanrai.jp 豊洲 万葉倶楽部➡tokyo-toyosu.manyo.co.jp toyosu-senkyakubanrai.jp リンク BUSINESS INSIDER JAPAN 豊洲市場「千客万来」、5年遅れでテナント数は半数以下。波乱の船出に 豊洲市場に隣接する集客施設「千客万来」が2月1日にオープンします。コロナ禍の影響などで開業が遅れ、テナントも計画の半数以下でのスタートとなります。 27
サイゼリヤが新しい注文方法を導入している。これまでは、各テーブルに置いてある注文用紙に利用客が番号を記入して店員に渡すスタイルだったが、どのように変わったのだろうか。筆者が都内の店舗で体験した内容を交えながら解説する。 テーブルで見つけた小さな「札」 入店後、店員に案内されてテーブルに移動すると、長方形の小さな札を見つけた。札には「いらっしゃいませ」「テーブル番号24」「注文用QR」といった情報が記載されている。見た目は、小売業界で導入が進んでいる電子棚札(画面が電子ペーパーになっており、価格などをリアルタイムに変更可能)に似ている。「この小さな札は何だろう?」というのが最初に見たときの感想だ。
世界的な健康志向の高まりを受け、日本の納豆輸出が大きく伸びている。2023年1~11月の輸出金額は17億2315万円となり、5年で2倍に迫る勢いだ。中華圏を中心に海外への販路が広がり、国産大豆商品の注目度も上昇している。 財務省の貿易統計によると、23年の納豆輸出金額は、過去最高だった前年を6%上回るペースで、18年同期比では95%増えた。健康ブームを受けて、海外の富裕層を中心に納豆の注目度が急上昇したことが要因。全国納豆協同組合連合会(納豆連)によると、インバウンド(訪日外国人)が帰国後も納豆を食べるケースが増えており、「伸びしろがある」という。 国・地域別に見ると、中華圏で伸び幅が大きい。中国が同375%増の3億8000万円、香港が192%増の1億7000万円、台湾が108%増の1億2000万円。納豆連は「中華圏で日本の食文化に対する関心が高く、富裕層を中心に消費が増えている」とみる。
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