裁量労働制の方が、労働時間は長かった 6月25日、厚生労働省が新たに実施した裁量労働制の実態に関する調査結果が、厚労省のホームページで公表された。この調査に至る経緯は、2018年に労基法改正による裁量労働制の拡大が国会で議論されたときにさかのぼる。 当時の安倍首相が、裁量労働制の労働者の方が労働時間が短いという厚労省のデータを挙げて答弁したものの、調査方法がずさんであると問題になり、答弁及び拡大案自体が撤回された。その後、2019年に裁量労働制の調査が新たに行われ、今回ようやく公開されたものだ。 今回の調査では、労働者の回答で、1日の平均労働時間が、裁量労働制の労働者は9時間、適用されていない労働者の8時間39分より約20分長かったことが、特に注目されている。やはり、裁量労働制の労働時間は、短くなかったというわけだ。 さらに、今回の調査を読み込んでみると、より深刻な裁量労働制の実態が浮かび