「あの試合が僕の人生を決める試合だった」。浦和の元日本代表DF宇賀神友弥(31)は、流通経大の4年生だった10年前の天皇杯での一戦をしみじみと思い返した。 2009年10月11日。DF山村和也(現川崎)、FW武藤雄樹(現浦和)らを擁した流通経大は天皇杯2回戦で、前年にACLを制していた強豪・G大阪と対決した。当時、浦和の特別指定選手だった宇賀神はJ2福岡などからもオファーを受けており「浦和に行くか、別のチームに行くのか決めようと思って挑んだ試合だった」。 左右のサイドハーフやサイドバックをこなし、高いフィジカルと抜群のスピードを武器に大学サッカー界で活躍していた宇賀神だが「大学の先生から『お前じゃJ1に通用しないから、J2に行きなさい』と通告されていた。「この試合で全く歯が立たないなら、先生が言うようにJ2のチームに行こう」と、ひそかに心に決めていた。 試合は前半19分、右サイドからのパス