「2027年か、28年だ」。1月中旬、半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)が開いた決算説明会。米西部アリゾナ州に建設中の「第2工場」の稼働時期を聞かれた劉徳音会長は、従来の26年から大幅に遅れると説明した。TSMCは「第1工場」の稼働も1年遅れの25年になると23年夏に発表したばかり。巨大工場を迅速に建てるため1万人以上を動員しようとしたが、集められなかった。技術革新が目まぐるしい半導
サマーズが第二次トランプ政権の危険性について深刻な懸念を表明している。 以下は12/20ツイート。 The @FT's Unhedged asked me about the macroeconomic implications of a second Trump term: When you have a president who challenges the results of elections and brags about what he could do in one day as a dictator, it is not something that can be completely relied on. That is a profound threat to our long-run prosperity, and therefore short-run asse
大いに待望されていた「ソフトランディング」(軟着陸)が,ふつうなら一筋縄でいかないはずなのに,どうやらアメリカでは達成できそうだという点で,大半の評論家たちの見解は現時点で一致してる――雇用や賃金に痛手を与えずにインフレ率を下げるという難業が成し遂げられそうだ. USスチール買収の件について書こうと思ってたけれど,鉄鋼業の歴史について読むべきものが積み上がってしまってる.そこで,そっちは明日に回さなくちゃいけない.さしあたって,マクロ経済の話を手早くやるとしようか. 大いに待望されていた「ソフトランディング」(軟着陸)が,ふつうなら一筋縄でいかないはずなのに,どうやらアメリカでは達成できそうだという点で,大半の評論家たちの見解は現時点で一致してる――雇用や賃金に痛手を与えずにインフレ率を下げるという難業が成し遂げられそうだ.というか,ぼく個人が「ソフトランディング」と呼んでいただろう結末よ
生成AIのChatGPTを開発したアメリカのベンチャー企業「オープンAI」は21日、解任されたサム・アルトマン氏がCEOに復帰することで合意したとSNS上で明らかにしました。解任からわずか5日で復帰が決まり、混乱した会社経営が正常化するかが課題となります。 これは「オープンAI」が21日、旧ツイッターのXで明らかにしたものです。 アルトマン氏がCEOに復帰することやほかに3人の取締役を決めたことで合意したとしています。 SNSで会社は「詳細については協力して対応していく。今回のことではご迷惑をおかけした」としています。 「オープンAI」の取締役会は先週17日、CEOだったサム・アルトマン氏を解任しました。 生成AIのサービスを急速に拡大させようとするアルトマン氏と、AIの安全性を重視する取締役会のメンバーとのあいだで激しい議論があった可能性が指摘されていました。 IT大手のマイクロソフトが
ブルームバーグ通信での「FRBは何をすべきか?」というインタビュー(ここでは記事になっている)で、私は以下のように答えた。 「利上げは頭がおかしい」 これは文字通り受け取っていただきたい。 事実はいかなる時も理論に勝る 私が最初に言及したのは、起こってきた出来事を誰も予測できなかった事実だ。インフレは、認知できる雇用の減少やGDPを低下させずに、劇的に低下した。我々が今できる最善のことは、事実に特段の注意を払いながら、暗中模索を続けることだ。最悪の対応は、事実と矛盾している教科書的分析への依存に回帰することだろう。 事実は何を示しているのか? インフレの低下水準と低下速度の両方から、インフレ率が目標水準の2%に、2、3ヶ月以内に達する可能性がある。 もし、FRBが目標水準での安定を真剣に考慮するなら、今すぐにでもインフレの低下ペースを緩める必要がある。 不確実性についてはどうだろうか? た
ニューヨーク(CNN) 米カリフォルニア州のニューサム知事は30日までに、ファストフード業界の従業員の最低賃金を来年4月1日から時給20ドル(約2980円)に引き上げる法案に署名した。 また、同業界の労使の代表らが加わる「ファストフード協議会」も創設し、将来的にさらなる賃上げを承認する権限も付与した。20ドルの適用は、全米で少なくとも60店を展開する企業の従業員が対象。 同州の現行の最低賃金は時給15.50ドル。来年1月1日からは16ドルに昇給する予定となっている。 ファストフード協議会は9人で構成。労使代表のほか、従業員の権利を唱えるグループの2人に一般人の代表も参加する。同協議会は2025年から29年まで、ファストフード業界の従業員の最低賃金(時給)を毎年、最大で3.5%もしくは米消費者物価指数の変動幅に、あるいはより低い方に合わせた昇給を実現させる権限を持つ。 この期間において協議会
既知の調査により、ネバダ州とオレゴン州にまたがる火山からリチウムを含む多数の金属鉱脈が発見されています。2023年8月30日に発表された論文によると、この火山には推定2000万トンから4000万トンの「世界最大規模」のリチウムが埋まっているようです。 Hydrothermal enrichment of lithium in intracaldera illite-bearing claystones | Science Advances https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.adh8183 Lithium discovery in US volcano could be biggest deposit ever found | Research | Chemistry World https://www.chemistryworld.com
というNBER論文をローレンス・ボールらが上げている(H/T タイラー・コーエン)。原題は「Did the U.S. Really Grow Out of Its World War II Debt?」で、著者はJulien Acalin(ジョンズ・ホプキンズ大)、Laurence M. Ball(同)。 以下はungated版の結論部。 This paper investigates the factors behind the behavior of the U.S. debt/GDP ratio since 1946, both the large decline in the ratio from 1946 to 1974 and the large increase since then. We seek to decompose the movements of debt/GD
中国の不動産大手、「恒大グループ」は、中国国内をはじめアメリカなどからも大規模な資金調達を行い不動産開発を進めてきましたが、中国政府による規制強化などの影響で経営危機となり、デフォルトに陥りました。 7月に発表した決算では、去年が日本円でおよそ2兆円の最終赤字、おととしが9兆円余りの最終赤字と、2年連続で巨額の赤字に陥り、去年12月時点の負債総額は、48兆円余りにのぼることを明らかにしています。 こうした中、「恒大グループ」は17日、アメリカの裁判所に、連邦破産法15条の適用を申請しました。 適用されれば、アメリカ国内では、訴訟や資産の差し押さえなどを回避することができるようになるため、会社としては、アメリカで保有する資産を保全しながら、債権者との間で債務再編をめぐる交渉を進め、経営の再建につなげるねらいがあるとみられます。 ただ、債権者との交渉は難航しているとみられていて、再建に向けた道
店のカウンターに置かれたチップを入れる容器。米首都ワシントンで(2023年3月17日撮影)。(c)Stefani Reynolds / AFP 【4月23日 AFP】チップを渡すか渡さないか、それが問題だ。チップ文化が根付いている米国だが、多く人がこの問題に悩むようになった。スーパーや生花店でも渡すべきか、と。 首都ワシントンでサラダとジュースを手に、「どちらにせよ罪悪感を抱く」と話すのはマット・スコットランドさん(41)。 米国ではレストランでチップを渡すのは当たり前。これまでは話題にさえならなかった。通常、飲食代の15~20%で、これが接客業務担当者(チップ制労働者)の収入の大きな部分を占める。 しかし、持ち帰り用にサンドイッチを購入した場合はどうだろう。スコットランドさんは「渡さない」と答えた。ただ、担当者の対応が特別良かったり、自身が太っ腹な気分だったりする時はこの限りでないとも言
前回エントリで紹介したサマーズの銀行危機についてのインタビューは、3月21-22日に開催されたFOMCの前週に実施されたもののようで、25ベーシスポイントの引き上げを言外に言い当ててたが、FOMC直前の3/20の連ツイでクルーグマンは、FRBは何もするな、と主張していた。 So, on vacation — but in the middle of a banking crisis. Will weigh in with a newsletter tomorrow, but where my thinking is right now. The banking mess is, as far as I can tell, sufficient reason for the Fed to pause until we know more 1/ Before banks started exp
70年代後半~80年代前半のあんな話こんな話を反駁する元大統領ジミー・カーターがホスピスに入って緩和ケアを受けはじめ,遠からず亡くなると予想されている.そこで今日公開する予定だった記事を急遽変更して,カーター(とレーガン)について2021年に書いた記事を再掲する.カーターはぼくが生まれる前に大統領だった人物だけど,「彼が大統領だった時期がいかにひどくて,レーガンによって国の方向がどう修正されたか」っていうすごく明快な物語を聞かさながら,ぼくは育った.で,大人になってからわかったのが,その物語が現実とかけ離れてるってことだった.というか,1970年代の課題の多くは――高インフレ,強すぎる規制,ソビエト連邦の復活といった課題は――カーターによって解決の端緒が開かれている.その一方で,レーガンがとったアプローチは,Uターンというよりもそれまでの継続という性格が強い.この記事を読んで70年代~80
ビットコインはブロックチェーンに取引データを記録するためにマイニングという処理を行うが、その際に大量の電力を消費することが問題視されてきた。それはポルトガル2.5カ国分に上るともいわれ、脱炭素の観点からも対応が求められている。 一方で、時価総額第2位の仮想通貨であるイーサリアムは、2022年末にマイニングを必要としないPoS(プルーフ・オブ・ステーク)に方式を切り替えた。有力な仮想通貨の多くがPoSを採用しつつある。 関連記事 メルカリ、ビットコイン取引に参入 売上金やポイントで購入可能 メルカリは3月9日、メルカリアプリ内でビットコインの売買ができる新サービスの提供を開始した。売上金や残高、ポイントなどで1円からビットコインが売買できる。 米SECが“ステーキング”違法認定、イーサなどのPoSに向かい風 ビットコイン価格が2月190日早朝、急落した。仮想通貨取引所Krakenのステーキン
“Joe Biden February 2020 crop” by Gage Skidmore from Peoria, Arizona, CC BY-SA 2.0. 今週バイデンが行った一般教書演説を聞いていて,「かなりいいじゃん」と思った.演説の中身は,文化戦争やら外交問題やらではなく経済政策にだいぶ絞られていた.これもいい点だと思う.いまは,争いよりも豊かさにもうちょっと関心を注いだ方が,アメリカ社会は健全になるだろう.ともあれ,あの一般教書演説ってやつは,いつも2つのことのバランスをとっているところがある.一方には,経済のいいニュースの喧伝があって,こちらは大統領の手柄ということでその評判を高める.もっとも,そういういい結果への大統領の関与はせいぜい部分的でしかないんだけどね.そして,もう一方には,来年に向けた政策の優先事項の列挙がある.この2つのバランスをとって演説ができあがって
認証バッジの有償化やTwitterに好意的でないジャーナリストのアカウント凍結など、わずか2~3カ月で数々のスキャンダルを生み出した。ついにはマスク氏自ら「CEOを退任すべきか」をユーザーに問い、過半数から「Yes」を突きつけられる珍事も起きた。 かつてIT界の寵児ちょうじとたたえられたマスク氏の栄光は見る影もない。まるでマスク氏が「ワンマンショー」を演じ、ユーザーという観客の前で珍妙な策を繰り出すことで、強引に注目を集めようとしているかのようだ。 華々しいショーの一方で、舞台裏にあたるTwitter社は大混乱だ。ニューヨーク・タイムズ紙などの報道によると、本社では行き過ぎたコストカットが災いし、ついに社屋に備わっていたトイレットペーパーさえ尽きたという。 サンフランシスコ本社およびニューヨークの拠点では、これまでオフィスの基本的な維持活動を行っていた清掃チームとの契約を解除した。これによ
10日のニューヨークの金融市場はアメリカの消費者物価指数が市場予想を下回ったことで利上げのペースが減速するとの見方が強まり、大きく動きました。ダウ平均株価は1200ドルを超える大幅な値上がりとなったほか、外国為替市場では一時、1ドル=140円台前半まで円高が進みました。 10日のニューヨーク株式市場ではこの日、発表されたアメリカの先月の消費者物価指数が8か月ぶりに8%を下回り、市場予想も下回ったことで、記録的なインフレが和らぎ、アメリカの利上げのペースが減速するとの見方が強まりました。 このため幅広い銘柄で買い注文が膨らみ、ダウ平均株価の終値は前日に比べて1201ドル43セント高い3万3715ドル37セントとなりました。 1000ドルを超える上げ幅は2020年4月以来、およそ2年7か月ぶりです。 IT関連銘柄の多いナスダックの株価指数も7.3%の大幅な上昇でした。 また、外国為替市場では日
アメリカの消費者物価指数の発表をうけ、外国為替市場で、ドル売り・円買いの動きがすすみ一時、1ドル=141円台まで円高が進みました。発表前は146円10銭近辺で推移していて、1時間ほどの間に4円以上円高がすすみま…
半導体業界人。 自分の周りでは大ニュースになってる割に世間では全然騒がれてないんだけど、メチャクチャ国際関係にインパクトがあると思われる事件が現在進行形で起きているで紹介したい。 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-12/RJNDM6T0G1KW01 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-13/RJNXIKDWRGG001 中国で事業を展開している半導体装置メーカーが人員を引き上げるというニュースなんだけど、記事中で取り上げられている装置メーカーのAMAT、ASML、Lam、KLAは世界シェア1位、2位、3位、5位のメーカーであり、それらが人員を一斉に引き上げるという部分にヤバみを感じる。(ちなみに4位は日本の東京エレクトロンだが、アメリカに圧力かけられたら逆らえな
1970年代以降、アメリカの実質賃金上昇は停滞し、上昇のほとんどは上位1%が独占している。 データを分析した経済政策研究所によれば、そうした状況は労働者に対する「静かな詐取(quiet fleecing)」だという。 連邦準備制度理事会がインフレの緩和に動いていることから、この問題がさらに悪化する可能性もある。 アメリカでは「静かな退職(quiet quitting)」の是非が議論されているが、労働者が注目すべき、もうひとつの現象がある。「静かな詐取(quiet fleecing)」だ。 この現象のせいで、ミレニアル世代の給料は親世代よりも低くなり、住宅購入がますます手の届かないものになっている。多くの人は、基本的な医療を受ける余裕さえ、なかなか得られない状態だ。その一方で、アメリカのビリオネアの数は、1990年のおよそ9倍になっている。 米シンクタンクの経済政策研究所(EPI:the E
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